デリバリー全盛時代の立地戦略!スマホの向こうを意識せよ

数年前まで、飲食店の立地といえば「駅から何分」「人通りの多さ」「角地かどうか」が鉄板の基準でした。
でも2020年を境に、街の風景は大きく変わりました。

Uber Eats の配達員が次々と自転車を走らせ、玄関のチャイムが鳴る回数が増える。
「お店に行く」よりも「お店を呼ぶ」ライフスタイルが当たり前になったのです。

そんな時代に、飲食店の立地選びも変わらざるを得ません。
これからは “デリバリー視点で立地を考える” ことが、成功のカギになっていきます。

デリバリーが立地に影響する理由

「デリバリーは立地に関係ないのでは?」と思うかもしれません。お店に足を運んでもらうわけではないのだから。

けれど実際は違います。デリバリーが主流になればなるほど、立地は重要な意味を持つのです。
• 配達範囲の人口密度
 アプリで設定される配達可能エリアは通常2〜3km。つまり、その円の中にどれだけ人が住んでいるかでポテンシャルは決まります。
• 顧客層の違い
 オフィス街に出せば平日ランチの注文が多く、住宅街に出せば夜と週末が強い。これは店舗来店と同じ構造です。
• 競合の数
 同じ配達範囲に競合店が多ければ埋もれやすくなり、差別化が難しくなります。

つまり、店舗前の人通りではなく「アプリ上の地図の中で、自分の店がどう見えるか」が勝負になるのです。

デリバリーで強い立地とは

住宅街のど真ん中

デリバリーで最も強いのは、やはり住宅街です。
帰宅後に夕食を作るのが面倒なファミリー層、一人暮らしで自炊をしない若者。夜の注文が爆発的に増えます。週末は特に強く、家族でピザや寿司を頼む光景は今や定番です。

タワーマンション群の近く

配達効率が良く、注文単価も高めになる傾向があります。高所得層が多いため、クオリティの高い料理やブランド感のある業態が強く支持されます。

オフィス街

ランチ需要が集中する一方で、夜は弱いのが特徴。単身者向けの軽食や弁当業態が強く、夕方以降は失速するケースが多いです。

落とし穴もある

デリバリー前提で出店する際、甘く見てはいけないポイントもあります。
• 手数料の高さ
 プラットフォーム利用料や配達手数料で売上の30%前後が差し引かれることも。家賃が安くても利益率を圧迫します。
• 口コミの影響力
 料理の味だけでなく、梱包や配達スピードまで評価対象になるため、悪いレビューが続くと注文が激減します。
• 天候やイベントによる変動
 雨の日や大型連休は注文が跳ね上がりますが、逆に外出機会が増える季節には落ち込む。変動要素が多いのがデリバリーの難しさです。

実際のストーリー

ケース① 郊外の唐揚げ専門店

駅から遠く人通りは少なかったが、デリバリーアプリに登録した途端、注文が爆発。住宅街のど真ん中にあった立地が功を奏し、今では「唐揚げといえばここ」と評判に。

ケース② 繁華街のバーガーショップ

人通りを意識して駅前に出店。しかし周囲にチェーン店が多く、デリバリーでも競合に埋もれてしまった。結果、配達注文は思ったほど伸びず、家賃の高さが重荷に。

ケース③ タワマン前の寿司屋

配達員の効率がよく、リピーターが定着。高単価でも注文が安定し、来店客よりもデリバリー売上の方が多いという逆転現象が起きている。

デリバリー視点で立地を選ぶときのチェックリスト
• 配達範囲の人口はどれくらいか?
• ファミリー層か単身層か、どちらが多いか?
• 競合店は何軒あるか?
• 高単価が狙える層か、それとも低価格帯か?
• 来店需要とデリバリー需要のバランスはどうか?

この視点を持って物件を見ると、駅近や人通りだけに惑わされない「新しい立地観」が見えてきます。

まとめ:スマホの向こうにいるお客さんを想像する

かつて飲食店は「この通りを歩く人をどう呼び込むか」が勝負でした。
けれど今は違います。スマホを開いたお客さんの画面にどう映るか、配達員が走りやすい場所かどうか、それが勝敗を分けるのです。

街の立地を見渡すとき、目の前の人通りだけでなく「スマホの向こう側」にいるお客さんを思い浮かべる。
その想像力こそ、これからの飲食店経営に欠かせない武器になるでしょう。

◯会社概要
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