出店前に必須!人通り調査で見るべき意外なポイント
飲食店を開業する前、多くの人が不動産情報や賃料に目を向けます。
しかし、実際の繁盛を左右する最大の要因は「その立地にどんな人が、どれくらい通っているのか」です。つまり 人通り調査(通行量調査) は、物件選びで外せないプロセスです。
ところが、意外と多くの開業希望者が「駅前だから大丈夫だろう」「人通りが多いから安心」と短絡的に判断してしまい、開業後に「思ったよりお客さんが来ない」という落とし穴にはまってしまいます。
今回は、出店前に必ず行うべき人通り調査の基本から、プロが実際に見ているポイント、調査をどう活かすかまでを解説していきます。
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なぜ人通り調査が必要なのか
一見、当たり前のように思える「人が多い=売上につながる」という考え方。
しかし、実際は人通りの「数」だけでは十分ではありません。
たとえば、駅前の大通りで人が1日に数万人通っていたとしても、その大半がサラリーマンであれば、高単価のフレンチレストランを出しても見向きもされないかもしれません。
逆に住宅街の小道で1日数百人しか通らなくても、子連れの主婦層が多ければ、ファミリー向けのカフェは安定した売上を確保できます。
つまり重要なのは「人の数」ではなく どんな人が、どんな時間に、どんな目的で通っているか なのです。
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人通り調査の基本ステップ
① 曜日ごとの違いを見る
平日と休日では通行量も客層も大きく変わります。オフィス街は平日ランチが強い反面、休日は閑散とします。住宅街はその逆で、休日に家族連れで賑わうことが多い。最低でも平日と休日、両方の人通りを確認することが必要です。
② 時間帯ごとの違いを見る
「1日の合計人数」だけでは役に立ちません。
• 朝は通勤・通学
• 昼は買い物客やランチ需要
• 夜は帰宅途中の人や外食客
このように、時間帯ごとに通る人が変わります。ターゲットとする客層が「自分の店のピークタイムに存在するか」をチェックするのがポイントです。
③ 性別・年齢層を観察する
同じ人通りでも、学生が多いのか、会社員が多いのか、子連れ家族が多いのかで、求められる業態は全く違います。観察するときは「ざっくり属性」をメモするだけでも傾向が見えてきます。
④ 滞在する人か、通り過ぎる人か
人が多くても、足早に通り過ぎるだけでは集客につながりません。ベンチや公園があれば立ち止まる人が多く、ショッピングモールの近くなら滞在時間が長い傾向があります。通行人の「滞留性」も重要な指標です。
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プロが見る“ひと工夫”ポイント
動線の「入口」と「出口」
駅から出てすぐの道か、それとも帰宅導線か。人通りが同じでも、入口側と出口側では立ち寄り率が全く違います。疲れて帰る人は買い物を済ませていて寄らないことも多い。入口側の方が購買意欲は高い傾向があります。
視認性との掛け合わせ
人通りが多くても、道路から店が見えにくければ意味がありません。角地やガラス張りで外から雰囲気が伝わる店舗は、それだけで集客率が高まります。
周辺施設の影響
学校、オフィス、スーパー、病院など、施設の性格によって人の流れが大きく変わります。例えばスーパーの横は「買い物帰りの主婦層」が多く、病院近くは「高齢者の往来」が目立ちます。
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実際の調査方法
自分で立って観察する
もっともシンプルかつ確実なのが、実際にその場に立って観察する方法です。
カウンターを片手に何時間も数える必要はありません。一定時間に何人が通ったかを数え、属性をざっくり書き出すだけで十分。午前、昼、夕方、夜と複数回繰り返せば、全体像が見えてきます。
写真や動画を活用
人の流れを後から見直すために、スマホで短時間の動画を撮影するのも有効です。ただし撮影時にはプライバシーに配慮し、あくまで自分の記録用にとどめましょう。
公的データの活用
自治体や駅ビルのデータベースには、乗降客数や来街者数が公表されていることがあります。一次情報としては便利ですが、あくまで「数字」であり、客層の詳細まではわからないので、現地調査と組み合わせるのがベストです。
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ケーススタディ
ケース① オフィス街の路地裏カフェ
平日の昼はサラリーマンで行列ができるが、夜は閑散。調査で「平日昼だけ異常に強い」と判明していたため、ディナー営業を潔く削り、昼特化の戦略で黒字化。
ケース② 郊外住宅地のラーメン屋
人通りは少なかったが、夕方以降の帰宅導線に家族連れが多いことを確認。夜営業を厚くして成功。昼の赤字を夜で補うモデルに。
ケース③ 駅前商店街の洋菓子店
昼と夕方に主婦層が集中することを調査で確認。開店時間を10時からにし、閉店を19時に設定。効率的に売上を上げられるようになった。
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人通り調査を活かすコツ
調査をするだけでは意味がありません。結果をどう戦略に落とし込むかが重要です。
• 営業時間を調整する
客層が多い時間帯に合わせて営業する。
• メニューを最適化する
学生が多ければ低価格ボリュームメニュー、主婦層が多ければヘルシーなランチセット。
• 販促を仕掛ける
朝はコーヒー割引、夜はテイクアウト強化など、時間帯別の販促を展開する。
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まとめ:数字よりも“人”を見る
人通り調査は「何人通ったか」を数えるだけでは不十分です。
誰が、いつ、どんな目的で通るのかを把握することで、初めて自分の店に合った立地かどうかが見えてきます。
• 平日と休日
• 朝、昼、夕方、夜
• 年齢層、性別、滞在の有無
• 動線の入口か出口か
これらを観察するだけで、出店後のミスマッチを大幅に防げます。
飲食店を成功させる第一歩は「料理の腕」よりも「人をよく見る目」。人通り調査こそ、飲食店経営の最初の勝負どころなのです。
◯会社概要
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