新宿で飲食店を出店するための攻略法とは?

新宿は、日本有数の歓楽街を有する大都会です。歌舞伎町や新宿三丁目、西新宿など広範囲にわたって飲食店が立ち並び、常に多くの人々で賑わっています。まさに「眠らない街」と言えるでしょう。

そのため、「新宿で店舗を出店したい」と考える人も多いと思います。実は、新宿のテナント賃料は東京の他の繁華街と比較すると、比較的リーズナブルです。本記事では、新宿で店舗を出店するメリットや開業資金について解説します。

新宿で店舗を出店するメリット

新宿で店舗を出店するメリットは、主に以下の5つがあります。

1.アクセスが非常に良く、人通りが多い
新宿は東京23区の中心に位置しており、JR東日本、京王電鉄、小田急電鉄、東京メトロ、都営地下鉄など多くの路線が乗り入れています。新宿駅はギネス世界記録に認定されるほどの乗降客数を誇り、区外からも多くの人が訪れるため、店舗の集客には非常に有利な立地です。

2.夜間に稼働する店舗を運営しやすい
新宿は繁華街であり、夜間も多くの人が集まります。特に居酒屋やバーなど、夜間営業に適した店舗の出店には理想的なエリアです。さまざまな顧客層が訪れるため、夜間の販売機会も多く期待できます。

3.多様な人が集まるため、集客がしやすい
新宿は繁華街でありながら、住宅街やビジネス街も含んでおり、学生、ビジネスパーソン、行政や医療関係者など、多様な人々が集まります。そのため、ターゲット層に囚われず、幅広い集客が期待できる点が大きな強みです。

4.曜日・時間帯・顧客層に囚われない
新宿は曜日や時間帯に関係なく人通りが多いため、安定した集客が可能です。ランチタイムには学生やビジネスパーソン、夜間には飲み会目的のサラリーマンなど、さまざまな時間帯にビジネスチャンスが広がります。

5.他の歓楽街と比べて賃料がリーズナブル
新宿のテナント賃料は、渋谷など他の繁華街と比べると比較的リーズナブルです。坪単価は2万円台から3万円台の物件も多く、人気の場所であっても比較的手頃な価格で出店できることが魅力です。

新宿で店舗を出店するデメリット

新宿で店舗を出店する際には、以下の3つのデメリットに注意が必要です。

1.競合店が多く、差別化が難しい
新宿には多数の店舗が集まっているため、競争が激しいです。他店との差別化ができないと、たとえ人通りが多くても収益を確保するのが難しくなります。メニューや店舗の雰囲気でのオリジナリティーをアピールし、顧客にもう一度来てもらうためのリピーター施策が重要です。

2.エリアによってはテナント賃料が高い
新宿のテナント賃料は比較的リーズナブルですが、新宿駅周辺や歌舞伎町のように人気の高いエリアでは、坪単価が10万円を超えることもあります。また、エリアごとに顧客単価が異なるため、ターゲット層に応じた戦略が必要です。オフィス街では顧客単価を上げやすいですが、若年層が多いエリアでは売上回収に時間がかかる可能性があります。

3.基本的に人件費が高い傾向にある
新宿は大都市圏であるため、人件費が高めです。ほとんどの業種では運営コストの大部分を人件費が占めるため、コスト管理が重要です。アルバイトなどを雇う際は、事前に詳細なコストシミュレーションを行い、経営を圧迫しないように注意する必要があります。

「居酒屋」「ダイニングバー」「カフェ」などの店舗が人気

新宿には多くの店舗が出店しており、特に「居酒屋」や「ダイニングバー」が圧倒的に多いのが特徴です。これは、大手チェーン店が新宿エリアに集中的に出店しているためです。しかし、「炉端焼き」や「クラフトビール」といった個性的なジャンルで勝負する店舗も増えており、競合店との差別化ができれば、ニッチな分野でも成功する可能性があります。

新宿のエリアによっても店舗の傾向が異なります。ここでは、飲食店の出店数が多い4つのエリアを紹介します。

1. 新宿三丁目エリア

「新宿三丁目」は、バル文化が急速に発展したエリアで、スタイリッシュな飲食店が多く出店しています。開放的なデザインのバルや隠れ家的なイタリアンレストランなどが多く、平日の昼間からも賑わっています。そのため、販売機会が豊富で、出店するメリットが大きいエリアです。

2. 新宿御苑エリア

「新宿御苑」は、新宿駅から徒歩圏内、もしくは東京メトロ丸ノ内線でアクセスできるエリアです。ここでは、フレンチやイタリアンレストランのほか、リーズナブルな立ち飲み屋など多様な飲食店が並んでいます。オフィス街が広がっているため、大人向けの高級志向な店舗の出店に適したエリアといえます。

3. 新宿南口エリア

「新宿南口」には「NEWoMan(ニュウマン)」という商業施設があり、主に30代から40代の女性をターゲットにしたおしゃれな飲食店が立ち並んでいます。アクセスも良いため、大人の女性を対象とした洗練された店舗の出店に向いています。

4. 歌舞伎町エリア

「歌舞伎町」は、日本でも有数の繁華街で、夜間営業する居酒屋やバーに最適なエリアです。ただし、競争が非常に激しく、短期間で閉店する店舗も多いです。近年、取り締まりが厳しくなり、「夜の街」から昼間も楽しめるエリアへと変わりつつあり、ランチや女子会向けの店舗も増えています。将来的にも多様化が進むエリアとして注目されています。

新宿で店舗を出店する際は、エリアごとの特性をしっかり理解し、それに合った出店戦略を立てることが重要です。

新宿で出店するために必要な手続きとは?

新宿で飲食店を出店する際には、以下の3つの資格と手続きが必要です。また、「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出すると、税制上の優遇措置を受けられるため、これも忘れずに開店前に手続きを行うようにしましょう。

1. 「食品衛生責任者」を取得する

飲食店を開業するには、必須の「飲食店営業許可」を取得する必要がありますが、そのためには「食品衛生責任者」を店舗に配置する必要があります。通常、個人開業の場合はオーナーが食品衛生責任者の資格を取得します。資格を持たない場合は、自治体が開催する「食品衛生責任者養成講習会」を受講することになります。受講は予約制なので、開業を決めたら早めに準備しましょう。

万が一、開店時期が迫っていて講習会に間に合わない場合でも、開店後3か月以内に資格を取得すれば問題ありません。

2. 食品衛生法の設備基準を満たす

飲食店を開業する際、保健所の検査を受け、食品衛生法の設備基準を満たすことが必要です。主な基準は以下の通りです。

  • 厨房が区画され、清掃がしやすい構造である
  • 厨房とトイレに基準を満たす手洗い器が設置されている
  • 必要な厨房機器(冷蔵庫や食洗器など)が備わっている
  • 扉付きの食器棚が設置されている
  • 冷蔵庫・冷凍庫に温度計が設置されている
  • 蓋付きのゴミ箱がある
  • シンクの蛇口からお湯が出る

保健所による検査にはさらに多くの項目があるため、不安な場合は事前に保健所に相談し、準備を整えておきましょう。

3. 「飲食店営業許可」を取得する

食品衛生責任者の資格を取得し、設備基準を満たしたら、「新宿保健所」で「飲食店営業許可」を申請します。申請には、営業許可申請書、施設・設備の図面、水質検査成績書などが必要です。最近では、厚生労働省の「食品衛生申請等システム」を利用してオンラインで申請することも可能です。

4. 「深夜営業許可」を取得する

もし深夜に営業する店舗を出店する場合は、飲食店営業許可を取得した後に、「深夜営業許可(深夜酒類提供飲食店営業開始届)」も管轄の警察署で申請する必要があります。新宿ではエリアによって警察署の管轄が異なるため、事前に警視庁のホームページなどで確認しましょう。

新宿での飲食店開業は、資格や手続きが多いものの、これらを確実に準備することで順調に店舗運営ができるようになります。

新宿での開業資金を抑えるコツとは?

新宿で店舗を出店する際、特に大きな課題となるのが開業資金です。内装工事や設備・備品の費用が開業資金の大半を占めるため、これをどれだけ抑えられるかが成功の鍵となります。そのため、以下のような「補助金」や「居抜き物件」の活用がおすすめです。

1. 「補助金」や「助成金」を利用する

開業資金に不安がある場合、経済産業省や中小企業庁、商工会議所、地方自治体が提供する「補助金」を利用するのが有効です。補助金は審査基準が厳しいものの、審査に通過すれば高額な資金を返済不要で受け取れるのが魅力です。ただし、補助金は後払い方式が一般的で、実際に資金を受け取るまでに半年以上かかることがあります。代表的な補助金には以下があります。

  • 小規模事業者持続化補助金:小規模事業者が対象で、経営計画に基づく販路開拓などの取り組みに対して支給されます。
  • IT導入補助金:ITツールの導入に対して支給され、業務効率化や生産性向上が目的です。
  • ものづくり補助金:新しい製品やサービスの開発に向けた取り組みに対する支援です。

また、厚生労働省や各都道府県労働局が提供する「助成金」もあります。主に正社員の雇用を促進するためのもので、条件を満たせば支給が確実である点がメリットです。しかし、こちらも後払い制で、入金までに1年以上かかることもあるため注意が必要です。代表的な助成金には以下があります。

  • キャリアアップ助成金:非正規雇用者の正社員化や賃金引き上げを支援します。
  • 人材開発支援助成金:従業員の能力開発や職業訓練に対して支給されます。

2. 「居抜き物件」を利用する

内装工事費や設備・備品費を抑える方法として、「居抜き物件」を利用するのも効果的です。居抜き物件は、前のテナントが使用していた内装や設備をそのまま引き継ぐことができる物件です。通常の「スケルトン物件」(内装が全て撤去された状態)よりも賃料が高めになることが多いですが、改修費用を大幅に削減できるため、結果的に開業資金を抑えることが可能です。

新宿エリアでは、需要が高いため居抜き物件の競争も激しいですが、適切な物件を見つけることで、大きなコスト削減が期待できます。

まとめ

新宿は日本有数の繁華街であり、飲食店などの店舗を出店するには非常に魅力的なエリアです。しかし、エリアによってはテナント賃料や人件費が高くなることもあります。開業後の経営を安定させるためには、開業資金をできるだけ抑えることが重要です。そのため、内装工事費や設備・備品費を大幅に節約できる「居抜き物件」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
居抜き物件をうまく利用することで、初期投資を抑えつつ、新宿での成功に一歩近づけるでしょう。

◯会社概要
㈱店舗高値買取センター
住所:東京都新宿区西新宿1-4-11全研プラザSpaces 4階
•HP :https://t-kaitori.com/
•撤退希望者向け: https://t-kaitori.com/restaurantexit/
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