飲食店の家賃の目安とは?昔からの定説通り家賃は売上の1割以下に抑える必要がある?
飲食店の家賃について、「家賃は売り上げの1割まで」「家賃は3日で稼ぐ」などと言われることが多いですが、これはどちらもほぼ同様のことを指しています。しかし、開業を目指す方にはこれがどれくらいの数字なのか考えられないかと思います。そのため、今回は飲食店の家賃について解説していきます。
飲食店の家賃「売上1割以下」とは
まず家賃が30万円の飲食店について考えていきます。この飲食店で、家賃を10%以下にするためには、月の売上は300万円以上売り上げる必要があります。これを1日あたりに直すと、300万円 ÷ 30 = 10万円です。日商10万円を上げれば家賃を3日で稼ぐことが可能になります。そのため、「家賃は売り上げの1割まで」と「家賃は3日で稼ぐ」はほぼ同じことを指していると言えます。そのため、売上300万円は、家賃30万円の店がまず目指すべき目標値です。
売上高300万円のときの諸経費家賃以外の経費についても解説していきます。
まずは、変動費である原材料費と人件費について考えていきます。2つの合計で60%以下が目安といわれています。そのため、売上高300万円の場合、原材料費30%、人件費30%と考えたときに以下が目安となります。
・原材料費 90万円
・人件費 90万円
一方、毎月決まった額を支払う家賃、借入金返済などは固定費と呼び、合計20%以下が目安と言われているため、それぞれ10%と考えた場合以下が目安です。
・家賃 30万円
・借入金返済、減価償却費など 30万円
上記の合計と、ここからさらに光熱費や細かい諸経費を引いた残りが営業利益です。
変動費である原材料費や人件費は売上が低いときはそれ併せて下がります。また、メニューを絞って原材料費を抑えたり、オペレーションを工夫して人件費を削減したりすることも可能です。一方、固定費である家賃は売上に関わらず必ず支払う金額です。そのため、「家賃は目指す売上の1割まで」という原則を守ることは重要です。
家賃を売上の1割に抑えるためには
例えば、繁華街で家賃30万円の店舗が15坪だったとした場合、坪月商10万円の場合、月商は150万円となり、目標の売上300万円には遠く及びません。また、この場合坪月商15万円、月商200万円でも足りていません。1坪あたり20万円売り上げてはじめて、「家賃は目指す売上の1割」という目標達成です。これはなかなかハードな目標といえるでしょう。
しかし、坪単価が低い割安な家賃の場所で営業すれば、収益化のハードルは下がります。大都市以外であれば坪単価が1万円を切る物件もあり、繁華街以外の立地でも家賃は下がるため、郊外や住宅地で開業して、SNSや口コミなどをうまく使って集客を増やしていくのも良いでしょう。
繁華街で家賃が高額となる店舗の場合、上記の「家賃は目指す売上の1割まで」という目安の達成は難しく、家賃が売上の2割近くなっていることも多いようです。このような店では単価を高めに設定したり、原材料費、人件費の割合を抑え、集客しやすい利点を活かして稼働時間を増やしたりして対応するようにしましょう。
店舗探しの際に意識すること
このように、「家賃は目指す売上の1割まで」という原則は、開業のための店舗探しをする際に意識しておきたい目安のひとつです。
店舗の家賃は居住用物件よりもばらつきが大きいため、対象エリアを狭めずに、さまざまな方法で情報を集めて、納得できる条件の店舗物件をじっくり探すようにしましょう。
物件探しの際には、「家賃は目指す売上の1割まで」と頭に入れて、自分の売上計画を考え、しっかりと準備していきましょう。
◯会社概要
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