厨房機器価格高騰の背景~メーカー別の価格動向~
近年、飲食店経営者や料理人たちが直面している大きな問題の一つが「厨房機器の価格高騰」です。厨房機器はレストランやカフェの運営に欠かせないものであり、その価格上昇は業界全体に深刻な影響を及ぼしています。
今回は、この価格高騰の背景と、それに対する有効な対策、そして具体的なメーカー別の価格動向について詳しく見ていきましょう。
1.価格高騰の主な原因
厨房機器の価格が上昇している理由はいくつかありますが、主な要因は以下の通りです。
① 原材料費の上昇
厨房機器の製造に使用される金属やプラスチックなどの原材料が、世界的な供給チェーンの混乱や需要増加により高騰しています。特に、ステンレス鋼やアルミニウムの価格上昇は、厨房機器のコストに大きな影響を与えています。
② グローバルなサプライチェーンの問題
COVID-19の影響で、物流や製造業のサプライチェーンが大きく影響を受けました。これにより、必要な部品や材料の調達が難しくなり、製品の供給が遅れたり、コストが増加するケースが増えています。
③ 労働力不足と賃金の上昇
厨房機器メーカーやそのサプライヤーにおいても、労働力不足が問題となっており、労働者への賃金上昇がコストに反映されています。特に技術者や専門的な作業者の確保が難しくなり、その結果製造コストが上昇しているのです。
2.メーカー別の価格高騰率
具体的にどのメーカーがどの程度の価格上昇をしているのか、ここでは代表的な厨房機器メーカーの動向を確認します。
① ホシザキ(HOSHIZAKI)
冷蔵庫や製氷機で有名なホシザキは、2023年に製品価格を約10-15%上昇させています。原材料費の高騰に加え、部品の輸入コストや製造工程でのエネルギー価格の上昇が要因となっています。特に大型冷蔵庫や冷凍庫の価格上昇が顕著です。
② フジマック(FUJIMAK)
業務用厨房機器全般を扱うフジマックも、2022年から2023年にかけて製品価格が7-12%ほど上昇しました。同社は、特にガスレンジやコンベクションオーブンなどの加熱機器でコスト上昇が見られています。燃料価格の上昇が、この価格変動に大きく影響しています。
③ タニコー(TANICO)
ステンレス製の業務用厨房機器を得意とするタニコーは、価格上昇率が10-18%に達しています。特にステンレスの材料費が急騰しており、作業台やシンクといったステンレス製品の価格が著しく上がっています。また、輸送コストの増加も大きな負担となっています。
④ マルゼン(MARUZEN)
ガスレンジやフライヤーで知られるマルゼンも、価格を8-13%引き上げています。ガス代の高騰とそれに伴う燃料関連機器の製造コストが主な原因です。また、国内外の供給チェーンの遅延が製造プロセスに影響を与えています。
3.価格高騰がもたらす影響
価格高騰は、特に中小規模の飲食店に大きな負担を与えています。
新規開業を考える店舗にとって、初期投資が高騰することで、開業資金を確保する難易度が上がり、事業開始のハードルが高くなっています。また、既存の店舗においても、厨房機器のメンテナンスや更新が必要な際、予算オーバーになりやすく、経営を圧迫しています。
4.価格高騰への対策
厨房機器の価格高騰に対応するためには、いくつかの有効な対策を考える必要があります。
① 中古機器の活用
新品の厨房機器にこだわらず、中古市場を活用することで、コストを大幅に抑えることができます。信頼できる中古業者を選ぶことで、品質が保たれた状態で機器を手に入れることが可能です。
② リースやレンタルの活用
厨房機器を購入する代わりに、リースやレンタルを活用する方法もあります。月々の費用で導入が可能なため、初期投資を抑え、キャッシュフローを改善することができます。
③ エネルギー効率の良い機器を選ぶ
価格が高い機器でも、長期的な運用コストを考慮すると、エネルギー効率の高い機器を導入することが有利な場合があります。省エネ性能の高い製品を選ぶことで、電気代やガス代の削減が期待でき、長期的なコスト削減につながります。
④ 設備の長寿命化を図る
定期的なメンテナンスや適切な使用方法を心がけることで、機器の寿命を延ばすことができます。高価な機器を少しでも長く使用するために、日々のケアや修理を怠らないようにすることが重要です。
5.経営者の選択がカギ
厨房機器の価格高騰は避けられない現実ですが、それにどう対応するかは経営者の判断にかかっています。コストを抑えつつ、店舗運営に必要な設備を確保するためには、市場の動向をよく見極め、柔軟に対応していくことが求められます。
まとめ
厨房機器の価格高騰は、飲食業界にとって大きな課題ですが、賢い選択や計画的な対策を講じることで、影響を最小限に抑えることができます。
中古機器の活用やエネルギー効率の良い機器の選定、リースやレンタルの検討など、さまざまな手段を駆使して、効率的かつ持続可能な店舗運営を目指しましょう。
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