飲食店での立退料交渉のポイントとは

飲食店を賃借ている場合、まれに発生するのが、大家都合による「立ち退き」です。物件の売却や老朽化など理由はさまざまですが、借主はこれに応じる必要があるのでしょうか。また、立ち退く場合の交渉条件や、交渉のポイントについてもご紹介いたします。

すぐに立ち退きに応じなくてよい

大家が借主に物件からの退去を求める場合、「立ち退き」という言葉が使われます。借主の契約違反や大家側の事情など、さまざまなケースがありますが、日本の法律では借主が保護されています。そのため、大家が一方的に賃貸借契約を解除することはできません。大家と借主の双方の事情を比較して、立ち退き要求が正当かどうかが判断されます。また、正当な理由がない立ち退き要求は、借主が拒否できるものです。

立ち退きを要求する大家側の事情は?

では、大家側が立ち退きを要求する事情には、どのようなケースがあるのでしょうか。

  • 大家が物件を使用する場合
    「住む必要がある」や「そこで営業する必要がある」という理由は、立ち退きを要求する強い根拠にはなりにくいと考えられます。
  • 建物を売却する場合
    建物を売却する事情も一方的な理由であり、賃貸中でも売却は可能なため、正当な理由とは見なされにくいでしょう。
  • 建て直しが必要な場合
    建物が古く、耐震性に不安がある場合は、立ち退きを求める正当な理由となり得ます。しかし、裁判では安全性の具体的な検証が行われるため、しっかりとした根拠が必要です。

「立退料」が正当な理由を補完する

正当な理由が成立しない場合、大家は借主に立退料を支払い、交渉を試みます。大家側の事情が借主側の事情よりも優先されると立退料は低くなり、逆に借主側の事情が大きければ立退料は高くなります。

特に借主がその物件で飲食店を経営している場合、立地が集客に影響するため、立退料が増加する傾向にあります。

店舗側が請求可能な金額とは

飲食店は、立ち退き料として以下の費用を交渉することが可能です。

  • 引っ越し費用
  • 新店舗の内装費や補償金
  • 移転通知にかかる費用
  • 借家権価格(物件価値向上への寄与分)
  • 営業利益の補償
  • 従業員の給与補償

特に「営業利益の補償」は積極的に交渉したい項目です。移転による顧客減少分や売上減少も含めて補償が得られる場合がありますが、近隣に代替店舗が多い場合、損失認定が難しい場合もあります。

立ち退き料の相場は?

立退料には明確な計算方法はなく、店舗の立ち退きの場合、「家賃の何か月分」といった基準はあまり適用されません。一般的には双方の事情を考慮して話し合いが行われ、小規模な飲食店でも賃料が10万円前後の場合、1000万円から1500万円程度の立退料が支払われるケースが多いようです。

ただし、借主に契約違反がある場合、例えば家賃の滞納などでは、立退料の支払いは行われません。このような交渉が難航する場合には、弁護士や不動産鑑定士などの専門家に相談することをお勧めします。

まとめ

飲食店の立ち退き交渉では、以下のような立退料に関するポイントがあります。

  1. 立退料の有無:大家が正当な理由なく立ち退きを求める場合、借主は立退料を受け取る権利があります。
  2. 交渉内容:引っ越し費用、新店舗の内装費、営業利益の補償などが含まれます。特に飲食店は立地が重要なため、営業利益の補償も積極的に交渉できます。
  3. 相場とケース:立退料には明確な計算基準はなく、ケースによって変動します。家賃10万円程度の小規模店舗でも1000万円を超えることが多いです。
  4. 専門家の活用:交渉が難航する場合、弁護士や不動産鑑定士に相談することが推奨されます。

急な立ち退き要求の際に、適切な交渉が出来るよう、立ち退き料に関する知識をつけておくとよいでしょう。

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