飲食店のドミナント戦略時の物件探しのポイント

 前回の投稿では、ドミナント戦略の概要や、メリット、デメリットについて解説しました。

今回はドミナント戦略時の物件探しのポイントについて解説していきます。

■物件を探す上での基本

 ドミナント経営・戦略において欠かせないことは、エリアが一緒でもそれぞれの店舗に個性を持たせることが重要です。つまり、この店は「何屋」で、「どんな価値を提供するのか」をお客様に伝わるように明確にすることが重要です。個性をはっきりさせることで、お客さまは同じ系列であっても、それぞれの店舗に新鮮さを感じ、各店舗をめぐってくれるようになります。
 そのため、店舗ごとに個性を出すために、系統の異なる物件を選ぶことが重要です。
しかし、エリアが同じなため、ターゲットとなる層も同じになります。そのため、需要と個性に食い違いは出ないようにすることも重要となってきます。

■コロナ禍以降に増えたデリバリー・テイクアウト専門店

 コロナ禍以降にテイクアウトやデリバリーの専門店の展開がひとつの戦略として注目されるようになりました。そのため、新店舗においてデリバリーやテイクアウトに力を入れることを考えた場合、店内に客席を設ける必要がないため、広さは最小限で十分です。またお客様が座席でお食事されるわけではないので、築年数が古くても問題はありません。
 また、デリバリーやテイクアウト専門店の場合、立地はメイン通りでなくても、既存店で告知をすることで周知が可能です。また一般的な店舗と違い、お客さまやデリバリー業者が困らない周辺環境かどうかが重要となってきます。店の前に滞在しづらい、自転車やバイクが止められないという事態は避けたいです。そのためメインとなる店は駅前やメイン通りなど目立つ場所に置きつつ、周辺の住宅地にある狭小物件やロードサイド店舗をデリバリー・テイクアウト専門店では検討してみてはいかがでしょうか。

■ドミナント戦略の強みを最大限に活かす

 新店舗をデリバリーやテイクアウト専門店にする場合、セントラルキッチンを併設できる、もしくは機能を持たせられる物件を選ぶという方法もあります。セントラルキッチンを使用すると、食材の調達を効率化でき、食品ロスを削減できます。また人材を効率的に配置することができ、長時間労働の問題を解消できるといったメリットがあり、これがドミナントであれば、それぞれのメリットがより大きくなると考えられます。

 ドミナント戦略・経営では、グループ内で競争が生まれることでシェア拡大に成功するケースもありますが、まず考えるべきは、お客さまの奪い合い(カニバリゼーション)を回避するためにテイクアウト専門店にするなど、それぞれのお店に特徴を持たせ、横のつながりを大事にすることが重要です。

 ドミナント戦略を活用し、物件にはそれぞれ個性を持たせ、食材ロスや、人材共有していく仕組みをつくって、理想のお店を作っていきましょう

◯会社概要
㈱店舗高値買取センター
住所:東京都新宿区西新宿1-4-11 全研プラザSpaces 4階
•HP : https://t-kaitori.com/
•撤退希望者向け : https://t-kaitori.com/lp/

一覧へ戻る