間借りして飲食店を営業する際のメリット、デメリット、開業時の注意点を紹介
最近「間借り営業」の飲食店が増えました。コロナ禍で、売上を増やしたい貸主と初期投資をおさえたい借主のニーズがマッチし、間借り営業する店が拡大しました。今回は間借り営業のメリットとデメリットや、開業時の注意点をご紹介します。
初期費用が抑えられる「間借り営業」
そもそも間借り営業とは、すでに営業している飲食店を間借りして飲食店営業をすることで、飲食店の定休日やアイドルタイムを活用します。例えば「週1回の店休日に、違う店主が営業する週1限定のお店」や「夕方から営業する居酒屋のランチタイムに営業する定食屋さん」というものがあります。そのほか、上記のように定休日やアイドルタイムを活用する方法ではなく、既存の飲食店ではなく当初からシェアを前提に複数の店主が一つの店舗を借りる「シェア型レストラン」という業態もあります。開業当初からシェアすることを前提にすることにより、店舗物件契約や設備投資の費用を抑え飲食店を開業することが可能です。
コロナ禍により間借り営業が拡大しました。飲食店は、売上を少しでも上げたいと考え、その厨房設備をテイクアウト専門店が借りて営業するといったことが増えました。またITを活用し、間借りしたい人と貸したい人のマッチングサービスが浸透したことや、会社員が副業することが当たり前になったことから間借り営業が後押しされ、間借り営業が拡大しました。コロナ禍が収束した現在でも、この傾向は続いています。例えば、吉野家ホールディングスは「さぁ、間借りで夢を切り拓こう。」というキャッチフレーズの元、間借り営業を支援するサービス「シェアレストラン」を2018年にスタートし、その他マッチングサービスとしてはほかに「magari」「店タク」などがあります。
間借り営業をするメリット
ここからは間借り営業のメリットを紹介していきます。
開業資金や運転資金を抑えることができる
間借り営業をする場合、物件契約費や店舗工事費などが不要です。通常、飲食店開業時に数百万~一千万円程度が初期費用として必要と言われていますが、それがほとんどかからないことは大きなメリットです。また人気のエリアへの出店も可能です。その他月々の家賃や光熱費については、物件を借りる場合の3分の1程度ということが多く、運転資金も抑えることが可能です。
リスクを減らして開業できる
会社員などが副業として飲食店を開業したい場合、本業の収入はそのままキープしつつ、開業することができます。会社を辞めずに週1回のペースで間借り営業してみて、経験を積んで、実店舗での開業資金を稼いでから、開業するといった方法も可能です。
集客しやすい
間借りしている場合、既存店舗の常連客が間借り営業時に来店してくれる可能性があります。これは、集客の点では大変有利です。このメリットを活かし、ラーメンやカレーなど、同じジャンルで間借りする例もあります。
間借り営業時のデメリット
上記でメリットを述べましたが、やはりデメリットもあるためご紹介します。
売上に限りがある
営業時間が限定されることから、売上も限られます。そのため、間借り営業だけで十分な収入を得ることは難しい場合もあります。
設備の利用制約がある
間借り営業の場合、店名を外に大きく出せないことや、設備、内装、レイアウトを変更できないことはデメリットです。その他冷蔵庫スペースについても間借りする必要があるため、十分に確保できない場合は、自分で持ち込むことになります。
トラブルに発展する場合がある
間借りしている際に食中毒などの事故が発生した場合、借主だけでなく貸主も営業停止になってしまう可能性があります。このような大きなトラブルではなく、SNSでの評判などにより貸主に迷惑がかかり、トラブルに発展する可能性があります。
間借り営業をする場合、契約が重要
貸主が飲食店営業の許可を得ていれば新たな申請をしなくても開業することが可能ですが、間借り営業する場合、借主も自分の店として営業許可を申請しましょう。コロナ禍で支給されたような公的給付金は営業許可店舗のみを対象とするため、借主にとってもメリットがあります。
また、貸主との間では、費用負担、ルール、トラブル時の対応などについて取り決めて、契約書を交わしましょう。間借り営業の形態を「業務委託」とすれば経営責任は貸主、「スペースのみを転貸」とすれば両者それぞれが責任を負うことになります。
店に来店するお客様は、間借り営業かそうでないかを区別していることはあまりありません。間借り営業する側は、取り決めたこと以外でも貸主が営業する店のイメージや評判を損なうことがないように営業することが重要です。
間借り営業で経験を積もう!
上記でデメリットも述べましたが、リスクを抑えつつ経験が詰めるなどメリットも多くあります。間借り営業で手応えをつかんでから、実店舗の開業へとチャレンジすることで、開業を減らすことができ、常連客をそのまま集客することも可能です。
間借り営業を活用し。自分の理想のお店のイメージを明確にし実店舗の開業に繋げましょう。
◯会社概要
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