飲食店の撤退にかかる費用と必要な手続きをステップ毎に解説

様々な理由から飲食店から撤退せざるを得ない状況が発生します。そのような時のために、手続きや費用がどれ程度かかるのか、万が一に備え撤退に必要なことはしっかりと把握をしておくとよいです。本今回は、飲食店の撤退の基礎知識、費用負担を減らす方法について説明します。

撤退の種類

飲食店の撤退には、事業譲渡、資産売却、解散の3つの種類があります。「事業譲渡」とは、自分が経営の立場から退き、第3者にオーナー事業を引き継ぐ方法です。次に、持っている資産を他社に売却し、資産を確保する方法を「資産売却」といいます。最後に「解散」は、事業、店舗ともにすべてを終了することを指し、これは費用も時間もかかり、手続きも最も大変です。「解散」する場合は、借りていた店舗の原状回復工事、もしくは居抜き物件として希望する新しいオーナーへ譲渡といった手続きを行う必要があります。

撤退の際の手続き

飲食店を撤退する際の7つのステップを紹介します。

①貸主へ解約申し出

飲食店の閉店を決断したら、店舗の貸主へ解約の申し出を行う必要があります。貸主への通知は、解約の2〜6カ月前に行うのが一般的な流れです。この期間については、賃貸契約書に明記されているため、あらかじめ確認しておきましょう。また、商業施設などに入るテナントの場合、空きスペースができると施設全体のイメージが悪くなるため、解約に関して厳しいルールが設けられている場合も多いです。

また、解約を通知してから撤退する日までは、「解約予告期間」と呼びます。この期間も、賃料が発生するため注意しましょう。

②閉店の通知

まず、従業員に閉店を通知します。従業員への閉店、撤退する旨の通知は、雇用契約が終了する30日以上前に行いましょう。30日を過ぎると、「解約予告手当」の支払いが必要になります。法的には以上がルールですが、従業員の再就職などを考えた場合、通知はなるべく早くした方が良いです。その他従業員への通知が済んだあとに、顧客や取引先への連絡を行いましょう。

③行政手続き

店舗を撤退する際には、行政機関への届け出が必要です。開業時に必要であった書類を見返し、廃業時の手続きを確認しましょう。すべての飲食店で必要になる手続きと、サービスや業務内容によって手続きの有無が分かれるものがあるため注意が必要です。その他、書類により手続きを行う行政機関が異なるため、手続きには時間がかかることも念頭においておきましょう。

④各契約の解約手続き

次に電気やガス、水道などの各種契約の解約手続きです。ガスは管理会社の立会いが必要となる場合があるため、余裕を持って手続きをしましょう。その他、冷蔵庫や調理器具などリース品を利用している場合、解約手続きと合わせてリース契約の残りの期間の料金を支払う必要があります。リース品は基本的に次のオーナーに引き継ぐことができないため、居抜き売却などする際はしっかりと説明しましょう。

⑤不要品の処分

次に行うのが、鍋や調理器具、事務用品など不用品の処分です。また、居抜き売却する際に、「造作譲渡」にて次のオーナーに引き継がない設備や什器は、自分で処分する必要があります。譲渡を行う際は、引き継ぐものと処分するものが混在しないように気を付けましょう。これらの不用品は、リサイクルショップに持ち込めば現金化できる可能性もあります。

⑥原状回復工事

原状回復工事は、調理設備や内装を取り壊し、契約当初のスケルトンの状態に戻す作業のことです。引き渡し日までに、工事から片づけまでをすべて完了させる必要があります。施設によっては工事ができる時間帯や指定された業者が行う必要がある場合があるため、管理会社に事前に確認を行いましょう。

⑦鍵の返却

各種手続き、不用品の廃棄、原状回復工事が全て終わると物件の引き渡しと合わせ、鍵の返却を行います。鍵を返却した後は、建物内に入ることは原則できません。そのため、すべての手続をこの日までに終わらせなくてはなりません。原状回復工事などに問題がなければ、オーナーより保証金の返還が行われ、手続きが完了です。

撤退にかかる費用

飲食店の撤退時、例として賃料50万円、20坪の飲食店の場合には、一般的には450万円ほどがかかるといわれています。撤退費用は飲食店の規模や賃料により差が出るため、上記はあくまで目安として捉えておきましょう。解約予告期間分の賃料、不要品の処分費用はもちろん、原状回復工事とさまざまなシーンで金銭的負担がかかることを念頭に置いておきましょう。

撤退費用や手続きの負担を減らす方法

次に撤退の負担を少しでも軽くする方法、ここでは費用や手続きの負担を軽減する方法を解説します。

戦略的撤退

戦略的撤退とは、負担ができる限り少なく済むように撤退を進めることです。最終日まで営業を続け無収入の状態を少なくするのもそのひとつの方法です。資産にゆとりがない状態になってから閉店、撤退を決断すると、より状況を苦しめる結果につながりかねません。撤退する際にも費用や時間がかかることを踏まえ、早めに決断や手続きをすることを心がけましょう。

居抜き売却

店舗の内装や設備を残した状態にすることを「居抜き売却」と言います。居抜き売却の場合、原状回復工事が必要ないため、撤退に必要な費用、時間の軽減が可能になります。また、店舗の清潔感や設備などによって資産価値が付き、高値で売却ができる可能性もあります。居抜き売却を検討される場合は、ぜひ一度弊社にご相談ください。最短2週間での撤退も可能です。

撤退すると一言にいっても様々なステップがありますので、万が一に備え事前に撤退についての知識を蓄えておきましょう。

◯会社概要
㈱店舗高値買取センター
住所:東京都新宿区西新宿1-4-11全研プラザSpaces 4階
•HP : https://t-kaitori.com/
•撤退希望者向け : https://t-kaitori.com/lp/

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