飲食店開業時に初期費用を抑える物件選びの方法!キーワードは「居抜き」や「フリーレント」

開業時に少しでも抑えたいのが、初期費用です。初期費用を抑えた場合、費用の回収が早く進み、利益を出せる基盤が整います。今回は、飲食店開業時の初期費用の相場や内訳、さらに、初期費用を抑えるための物件選びのポイントを紹介します。

飲食店開業の平均初期費用

新規事業への資金援助を促進している日本政策金融公庫では、「新たに飲食業を始めるみなさまへ~創業の手引+」を発行しており、飲食店の開設費用の合計は、883万円と記載されています(不動産を購入した企業を除く)。内訳は、内外装工事が368万円で41.7%を占めており、続いて機械・什器・備品等21.1%(186万円)、運転資金19.1%(169万円)、テナント賃借費用17.5%(155万円)です。また、「開業後軌道に乗り始めた時期」の回答は「6カ月超~1年以内(28.8%)」が一番多く、開業してから売上が安定するまでに要する時間はある程度見ておかなくはならないため、軌道に乗るまでの資金も考慮しなくてはなりません。これらのことから店舗の営業と自分の生活を維持していかなければならないため、初期費用を抑えることは非常に重要です。

初期費用を抑える方法

上記で述べたように、内外装工事費、機械・什器・備品等購入費、テナント賃借費用が主な初期費用です。開業から数カ月分の運転資金も初期費用に含めて考える場合もあります。初期費用を抑えるには、内外装工事とテナント賃借費用を見直すのが堅実です。初期費用を抑える方法として「居抜き」や「フリーレント」の物件があります。

居抜き物件

居抜き物件とは、前のテナントが使っていた造作、設備、什器などをそのまま受け継ぐ物件のことを指します。同業態、もしくは近い形態の居抜き物件に出合えると、内外装工事費用や備品の購入費用を最低限にすることができるため、初期費用を減らすこちが可能です。また、内外装工事の期間も少なくすることができ、開業までの時間を短くできるといったメリットもあります。その他前のテナントから引き継ぐため、物件が認知されているといった点も居抜き物件のメリットです。

しかしデメリットもあり、店内のレイアウトの自由度が低い、設備などに経年劣化が見られることなどは予め理解しておく必要があります。また、上記で前のテナントから引き継ぐため、物件が認知されているということをメリットに上げましたが、もし前のテナントのイメージが悪かった場合、イメージ刷新のための努力が求められるます。また前テナントが撤退した理由が「立地が悪い」「視認性が低い」などである場合、難しい経営を強いられる可能性があります。契約前に前テナントの撤退理由を冷静に考えてみましょう。

フリーレント

一方で、フリーレントとは、賃貸借契約がはじまってから一定の期間に限り、賃料が無料になる制度のことを指します。またこのフリーレントの期間は、最初の1~2カ月程度が無料になるケースが多いです。一般的に貸主がフリーレントを導入する理由は、空室率を下げるためです。家賃そのものを下げ募集をかけるという方法もありますが、それでは既存のテナントから値引き交渉を持ちかけられる可能性もあるため、フリーレントを選ぶ貸主が多いです。またこのフリーレントは、借主にもメリットは多くあり、例えばテナント賃借費用を抑えられるのはもちろん、リフォーム工事をする際の開業準備期間に賃料が発生しないという点で嬉しい制度です。

しかし、ここで注意しておきたいのは、「フリーレントで賃料は無料でも共益費はかかる」「最低契約期間の定めがあり、途中で解約すると違約金が発生する」といったこともあります。また、「賃料が相場より高い」「保証金が戻ってこない」など「からくり」があることもありますのでそれらのデメリットも考慮し、物件を選ぶようにしましょう。「賃料2カ月無料」の言葉に飛びつかず、契約内容をきちんと理解するようにしてください。

初期費用を抑えて費用の回収が徐々に進むと、精神的にも安心感が得られ、日々の営業へのモチベーションが高まるといった効果があります。また、多少経営が思うようにいかなくとも、初期費用が低ければ経営は安定しやすいです。開業に不安がある場合、物件の選び方を見直してみてください。

◯会社概要
㈱店舗高値買取センター
住所:東京都新宿区西新宿1-4-11全研プラザSpaces 4階
•HP : https://t-kaitori.com/
•撤退希望者向け : https://t-kaitori.com/lp/

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