飲食店の物件取得費の相場は?開業時に用意したい必要資金の目安

飲食店を開業するときはまとまったお金が必要です。そのなかでも大きな割合を占めるのが店舗物件を借りるための費用です。今回は準備すべき物件取得費の相場や必要資金の目安を解説します。

物件取得費用は、家賃の12カ月分が目安

飲食店開業の際に必要な資金は、「開業資金」と「運転資金」の2つです。開業資金はさらに「物件取得費」と「店舗初期投資」に分けることができます。物件取得費の内訳は、保証金・敷金(賃料の3~12カ月分)、礼金(0~2カ月分)、仲介手数料(1カ月分)、前家賃(日割り計算)、保険料、造作譲渡料が目安になります。例えば賃料30万円の店舗を契約する場合、少なく見積もっても保証金3カ月、礼金2カ月であれば、仲介手数料、前家賃を合わせると賃料の7カ月分で約210万円となります。これに加え保険料や造作譲渡料も必要になる場合があります。

保証金・敷金は条件付きで返還される

店舗物件では保証金と呼ぶことが多いですが、居住用と同じように敷金と呼んでいる場合もあります。上記にも記載しましたが、保証金の目安は賃料の3~12か月分程度です。保証金は貸主が賃料の滞納リスクに備える預かり金です。そのため、もし毎月の賃料が支払われない場合には、賃料や延滞利息が保証金から差し引かれます。遅滞なく賃料を払っていた場合、保証金は退去時に返還されます。しかし、延滞なく賃料を払っていた場合でも、保証金の一部が「償却」という名目で差し引かれる契約に通常なっています。これは、「保証金6カ月、償却2カ月」の場合、契約終了時には4カ月分が返還されます。その他、償却は、「償却年〇〇%」となっている場合多いです。この場合、「保証金100万円、償却年5%」であれば毎年5万円が保証金の返還予定金額から差し引かれる計算です。

礼金

礼金は契約時に、賃料に上乗せし貸主に支払うお金です。これは、返還されません。礼金は賃料の0~2カ月分が目安です。

仲介手数料

仲介手数料は、不動産業者に支払う手数料です。この仲介手数料は最大で賃料の1カ月分と法律で規定されています。

前家賃

前家賃は不動産賃貸契約の当日からの当月の日割り賃料と管理費、翌月の賃料と管理費を合わせた金額です。例えば4月15日に賃料と管理費の合計が30万円の契約をしたとすると、4月15日から30日までの賃料と、5月分の賃料で約45万円となります。

保険料

火災保険は物件を契約する際に、加入が義務付けられていることが多いです。また、義務になっていない場合でも、必ず加入しておきたい保険です。保険料は保険会社に支払う必要があります。この火災保険の他、任意で加入することが多い保険は、PL保険、賠償責任保険などがあります。これらは、個々に用意されているものもあれば、各種のリスクをカバーする総合保険も用意されていますので確認してみて下さい。

造作譲渡料

居抜き物件を契約する場合、造作譲渡料が設定されていることが多いです。設備が比較的新しい場合、造作譲渡料が必要な場合が多いです。しかし厨房機器の新調や、空調の修理が必要な場合、割高になってしまう可能性があるため、契約前に確認が必要です。

物件取得費用を抑える方法

ここで皆さん気になるのが開業費用を抑える方法かと思います。
ここでは物件取得費用を抑える方法を3つ紹介していきます。

賃料の安い物件

これは言わずもがなかと思いますが、賃料の安い物件を探すことで費用を抑えることができます。特に初めての開業の場合リスクをおさえるために、賃料が安い小規模な店舗で始めることで物件取得費用を節約することができます。小規模な店舗というだけでなく、住宅街、空中階に出店して賃料をおさえることも可能です。

フリーレント物件

フリーレントとは、契約後の一定期間賃料が無料となる物件のことです。フリーレントの期間は、通常1~2か月程度のことが多いです。フリーレントについては、以下の記事でも詳しく説明していますので併せて読んでみて下さい。

値引き交渉

人気物件の場合無理ですが、しばらく空き物件の場合や、立地条件が悪い場合、値引き交渉ができる可能性があります。ほとんどの場合賃料の値引きは難しいですが、造作譲渡費や前家賃については交渉次第では、多少の減額に応じてくれる場合があります。

各項目についてよく理解して、理想のお店を探しましょう。

◯会社概要
㈱店舗高値買取センター
住所:東京都新宿区西新宿1-4-11全研プラザSpaces 4階
•HP : https://t-kaitori.com/
•撤退希望者向け : https://t-kaitori.com/lp/

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