飲食店の事業計画書作成のポイントを紹介！事業計画書に盛り込むべき概要を説明

事業計画の作成は、作ったコンセプトに具体的な数字に落としこんでいく作業を行う必要があります。　事業計画の作成のポイントは、設定した数値の根拠を明確にすることで、売上を〇〇万円に設定したとして、なぜそれが実現可能なのか、なぜそのターゲットなのか、なぜその場所で開業するのか、なぜその業種・業態なのか、そもそもなぜ開業したいのか、目的は何なのか、など、時代背景や、自身の経歴や経験も踏まえ、そのお店を出店すべき理由を記載します。

また、事業計画に盛り込むべき計画は、以下の６点です。

① : コンセプト
② : 投資計画
③ : 売上計画
④ : 収支計画
⑤ : 資金調達計画
⑥ : 返済計画

今回は、④ : 収支計画までを詳しくご説明していきます。事業計画の時点では、数値計画を大まかにし予想できないかと思いますが、売上計画は手堅く、かかる費用は多めに見積もるなど、最悪を想定して余裕ある計画を目指すようにしましょう。

① : コンセプト

そもそもコンセプトとは「どんな店をやるのか」というものです。コンセプトはコンセプトシートを利用するのが良いでしょう。またその際には5W1Hを意識して記載するようにしましょう。5W1Hとは以下の通りです。

Why	なぜ（創業目的）
Who	誰に（ターゲット顧客）
What	何を（商品）
Where	どこで（立地）
When	いつ（営業時間）
How	どうやって（サービス

② : 投資計画

投資計画は、事業の生命線であり重要な項目です。計画段階での抜け漏れは、資金不足や収支のズレなど、危機的な問題を引き起こします。そのため、必要な費用はすべて予算化できるようにしましょう。飲食店開業に必要な費用は、物件取得費用、店舗工事費用（インフラ・内装）、店舗機器費用（厨房機器、空調等）、什器備品費用、開業準備金（求人・仕入れ・人件費・水道光熱費・通信費等）、運転資金など主に上記の６項目です。
予算については、確定総額の10％程度を予備費として計上しておくと安心です。

③ : 売上計画

売上計画は、文字通りいくら売り上げられるのかを記載するものです。売上計画で、「坪当たり売上高を8-15万円を基準に設定しましょう」、などと指導している場合がありますが、この数値に根拠はなく、業種・業態によっても異なります。そのため、目安を鵜呑みするのではなく、結局は、一日に何人集客できるのか、ということを考えましょう。
売上高は、客単価×客数で求めることが可能です。客数は、近隣のマーケティング調査をすることにより、競合店と獲得シェアのバランスで想定来客数を求めることができます。そのため、もし自信がない場合は、エリアマーケティングを行っている会社や専門家に相談してみるようにしましょう。
月間売上高を求める場合、時間帯により客単価が違う店舗は、昼と夜、平日と週末、テイクアウトなど別々に計算するようにしましょう。その他、売上計画では、平常時、低調時、好調時の3パターンを想定しておくと計画の妥当性が生まれます。

その他、「売上計画」を裏付ける資料として、「商圏調査レポート」および「販促計画」も添付することにより、より計画の具体性、合理性を訴えることが可能になります。

④ : 収支計画

収支計画は、売上計画に対しいくら利益が残るのかを検討します。簡単に言うと、ランニングコストを計算し、売上から差し引きます。
ランニングコストは、「固定費」と「変動費」があります。固定費とは、売上が変動しても額が変わらない費用のことで、家賃、減価償却費、リース料などです。個人店では、オーナー給与もこれにあたる場合があります。
一方で、変動費とは、売上の変動により変わる費用のことで、原材料費、オーナー以外の人件費が大半を占めています。これを一般的にFLコスト（Food Labor Cost）と呼び、飲食店の場合FLコストは60％（F30％、L30％）が目安とされますが、業種業態により異なりますので注意が必要です。その他の変動費としては、水道光熱費、物件費、販売促進費、雑費等がこれにあたります。それぞれ売上に対し、何％を占めるのか把握するようにしましょう。
収支計画では、全体で利益が出るかどうかを検討することが重要で、計算して、利益が出ないのであれば、利益が出るように業態の見直しが必要です。

事業計画は、開業する際に必要となるため、数字が苦手な方も多いかと思いますが、しっかりと向き合い事業計画書の作成を進めていきましょう。

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