街の変化から考える、これからの店舗経営|求められる価値はどう変わるのか
最近、街の風景が少しずつ変わってきている、と感じることはないでしょうか。
買取専門店や24時間ジムが増える一方で、飲食店ではEC販売やデリバリー、間借り営業などに取り組むケースも見られるようになりました。
全ての店がこうした変化を迎えているわけではありませんが、一見すると別々に見えるこの2つの現象の背景には、共通する変化があるのかもしれません。
今回は、街の変化や飲食店の変化を振り返りながら、これからの店舗経営について考えてみます。
街の風景はなぜ変わったのか
近年は、
- 買取専門店
- 24時間ジム
- ドラッグストア
- ガチャガチャ専門店
などを駅前や街中で見かける機会が増えました。こうした業態が増えている背景には、
- 高齢化
- 人手不足
- ライフスタイルの変化
- 消費行動の変化
などがあります。
もちろん業態ごとに事情は異なりますが、これらに共通しているのは、単なる省人化だけではなく、今の社会で求められているサービスの需要に応えているということです。
つまり街の風景は、社会や消費者のニーズの変化を映しているとも言えるでしょう。
「食べること」の選択肢は増えている
こうした変化は、飲食にも表れています。現在は、
- コンビニ
- スーパー
- 冷凍食品
- デリバリー
- テイクアウト
など、食事の選択肢が以前より大きく増えています。もしお腹を満たすだけであれば、必ずしも「外食」という手段を取る必要はありません。
また、働き方や時間の過ごし方も多様化しており、
- 家で食べたい
- 職場で済ませたい
- 移動中に済ませたい
- 好きな時間に利用したい
といったニーズも増えています。つまり、食事そのものだけでなく、食事の時間をいつ過ごすか、誰と過ごすか、どう過ごすかといった「食べ方」も多様化しているのです。
だから飲食店も変わり始めている
こうした変化の中で、飲食店の売り方も少しずつ変わっています。例えば、
- EC販売(通販)
- デリバリー
- テイクアウト
- 間借り営業
- イベント利用
- スペース貸し
などのように、「店内での飲食」に依存しない形で売上を立てようとする動きも多くみられるようになりました。
背景には、人件費や原材料費、家賃などの上昇もあります。しかし、それだけではなく、お客様の利用方法が変わったからこそ、それに合わせて店舗側も売り方を変え始めているとも考えられます。
以前であれば、「来店してもらい、その場で食事を提供する」ことが飲食店の基本でした。ですが現在は、それ以外の方法でも価値を届けようとする店舗が増えてきています。
これは、飲食店の価値がなくなったという話ではありません。実際、人と会う場所としての価値や、その店ならではの料理や体験を求める需要は今も存在しています。ただ、その価値を届ける方法は以前より多様化しているのです。
共通しているのは「価値」の変化
ここで興味深いのは、街の変化と店舗の売り方の変化が、実は同じ方向を向いているようにも見えることです。
例えば、買取専門店が増えているのは、「不要になったものを手軽に売りたい」という需要があるからです。
24時間ジムが増えているのは、「好きな時間に運動したい」という需要に応えているからです。
そして飲食店がEC販売やデリバリーを行うのも、「店まで行かなくても利用したい」というニーズに対応している側面があります。
つまり重要なのは、業態そのものではありません。お客様がどのような価値を求めているのか、その変化に合わせて、店舗側も形を変えているとも考えられるのです。
「省人化業態だから増えている」のでも、「EC販売を始めれば成功する」のでもなく、お客様が求める価値に応えた結果として、その業態や売り方が選ばれているのです。
街の風景が変わって見えるのは、実はお客様の価値観や行動が変わっているからなのかもしれません。
飲食店は何を提供する店なのか
だからこそ、これからの飲食店には「何を売るのか」だけではなく、「お客様にどんな価値を提供するのか」が求められるようになっています。
- 短時間で食事を済ませられる
- 落ち着いて長時間過ごせる
- 特別な体験ができる
- 料理がおいしい
- 接客が良い
といった価値は、どれが正解か不正解かというものではありませんし、多ければ多いほどいいというものでもありません。
お客様が求める価値は一つではありません。短時間で食事を済ませたい人もいれば、ゆっくり過ごしたい人もいる。特別な体験を求める人もいれば、いつもの味や安心感を求める人もいます。
だからこそ重要なのは、「どの価値が正しいか」ではなく、自店がどの価値を提供する店なのかを明確にすることなのかもしれません。
まとめ|街の変化は価値の変化でもある
買取専門店や24時間ジムが増えていることも、飲食店がEC販売やデリバリーを始めていることも、それぞれ別の現象に見えるかもしれません。
しかし、その背景には「お客様が求める価値の変化」という共通点があります。
街が変わったから店舗が変わったのではなく、お客様のニーズや行動が変わったから、街も店舗も変わっているのです。
これからの店舗経営では、「どんな業態を選ぶか」だけではなく、「誰に、どんな価値を提供するのか」を考えることがますます重要になっていくでしょう。
また、固定費の上昇や人手不足が続く中では、その価値をどのように届けるかも重要になっています。店内営業だけでなく、EC販売やデリバリーなども含め、自店に合った形を模索する店舗は今後ますます増えていくかもしれません。
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