飲食店の厨房面積比率や広さ、客席数の目安の算出方法をご紹介

飲食店を開業するために物件を借りる際、どの程度の広さにすべきかどうかが最初に悩むポイントかと思います。その際に参考となるのは、厨房面積の割合や客席数の考え方です。今回は、適切な広さの物件を見極めるためのポイントを解説します。

厨房の広さ30%を目安

飲食店と言っても、業態やコンセプトはそれぞれ異なるため、それぞれに合った店舗づくりをすることが欠かせませんが、厨房面積の割合や客席数を出す目安は存在します。まず初めに、店舗面積の30%を厨房の面積として考え、その上で必要な厨房機器が少ない、提供するメニュー数が少ない店などは厨房面積を20%程度まで減らせるかどうかを検討しましょう。一方で専門的な厨房機器が必要、調理工程や提供するメニュー数が多い、従業員数が多い飲食店の場合、40%程度まで拡大しなくてはならない可能性があります。居酒屋や一般的なレストラン、ラーメン屋、蕎麦屋などは30%よりも広く取ることを考えましょう。

一般的に、人間1人が通るために必要な幅は60cmほどと言われています。そのため、ストレスなくすれ違うには100cm程度あるのが理想です。これを参考にし、厨房機器や作業台のレイアウトを考え、必要な広さをシミュレーションしてみましょう。厨房面積が狭いと食材の保存がづらくなる、広いと清掃の手間が増えるといったデメリットがそれぞれにありますので考慮しましょう。厨房は飲食店の要です。基本となる数字を活用しつつ、それぞれの店にあった厨房の広さを想定してみてください。

コンセプトと稼働率から考えられる客席数

厨房の広さに続いて、客席数を決める必要があります。厨房面積が30%の場合、客席は残りの70%に配置します。何席とるかについては、コンセプトによって大きく異なります。例えば、高級感を大事にするならゆったりとしたスペースが必要ですが、一方で席数が多くなれば、大衆的な雰囲気になります。一坪あたりの席数は、一般的な店舗であれば2.0席、大衆型は2.5~2.7席、ゆったり型は1.5~1.8席が目安です。

例えば居酒屋を20坪の店舗で開業するケースを例に考えていきましょう。大衆的な雰囲気の店にしたい場合、席数は一坪あたり2.7席と想定します。

・店舗面積 20坪
・厨房面積 20坪×30%=6坪
・客席面積 20坪×70%=14坪
・客席数 14坪×2.7席≒37席(37.8席小数点以下切り捨て)

計算上は上記のようになりますが、客席数は売上と大きく関わるため、売上の視点からも検討することが重要です。通常飲食店の客席稼働率は70%程度といわれます。客席数から売上をシミュレーションした場合以下の通りです。

・客単価3,000円、席数37席、2回転の場合
1日の売上=3000円×37席×2回転=22万2000円
上記の数字をもとに、客席稼働率を70%で売り上げを算出します
1日の売上=3000円×35席×70%×2回転=15万5400円

客席面積を増やし客席数が増えれば、売上も増えるように思いがちですが実際は、客席稼働率と回転率を高めることで、売上と利益を伸ばす店舗運営が求められます。グループで利用するテーブル席、1人もしくは少人数のためのカウンター席の有効的な配置方法をコンセプトや主力メニュー、売上予測などかから考える必要があります。

物件探しをする際、今回の情報などをもとに、おおまかな面積配分を予め考えたうえで物件を探しましょう。そうすることで、実際に内見した際にその数字が適切か、何が適切ではないかが見えてきます。

◯会社概要
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