物件契約の際の保証人の決め方！保証人を 選ぶ際の注意点や連帯保証人との違いを解説
店舗物件やテナントを契約する際、必要になるのが「保証人」。気に入る物件があっても、保証人が見つからないと契約をすることができません。そこで今回は、店舗物件やテナントを契約する際に必要な保証人とは何かということと、保証人を決める際に必要な知識について説明します。
「保証人」とは
そもそも「保証人」とは、借主が家賃を支払えなくなった際に、借主に代わって家賃を支払う責任を負う人のことです。例えば経営がうまくいかず資金繰りが厳しくなった場合、借主は家賃を支払えなくなる可能性があります。このような場合、保証人は借主の代わりに家賃を支払わなくてはならない可能性があります。
それだけではなく、万が一廃業することになった場合には、さらに負担が大きくなります。その理由として、物件契約時の取り決めで、廃業の際には店舗物件やテナントを借りる前の状態に戻す必要があることがほとんどで、これを「スケルトン」「原状回復」などと言います。保証人はこの工事費用も負担する責任があります。店舗物件やテナントの賃料は一般の住居物件よりも高く、原状回復には高額な工事費が必要です。保証人をお願いする側も引き受ける側も、このような責任があることを理解しておく必要があります。
「連帯保証人」と「保証人」の違い
「連帯保証人」と「保証人」が違うことを初めて知った方も多いかと思いますが、これらは同じような意味合いの言葉に見えますが、その責任の重さが異なります。
保証人は借主が賃料を支払えなくなった場合、貸主から家賃請求を受けた際に「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」が与えられます。これは「借主に返済能力があれば、保証人は家賃を代わりに支払う必要はない」ということです。「本当に借主には返済能力がないのか？」ということを調べてもらうことができ、仮に借主に財産が見つかった場合、まず借主の財産を差し押さえてもらうことが可能です。
しかし一方、連帯保証人にはこのような主張をすることが認められていません。店舗物件やテナントの借主とほぼ同等の扱いとなるため、例え上記のように借主に支払い能力が残っていたとしても、貸主に対して賃料その他を支払う必要があります。そのため、保証人より連帯保証人の方がより責任が重くなります。
保証人が立てられない場合
両親が高齢である、頼れる親族がいないなどの理由で、保証人が立てられない場合「家賃保証会社」を利用するのが一般的です。
家賃保証会社は、万が一家賃を支払えなくなった場合に、家賃を立て替えて支払ってくれるサービスを提供しています。契約形態や料金は保証会社によって様々ですが、多くの場合、初回契約料に賃料の50～100％を支払う必要があり、この契約料は、契約終了まで家賃代行を依頼しなかった場合であっても戻ってこないことが多いため、注意が必要です。また、その後は毎月、毎年、2年に一度など、任意の単位で契約更新料が必要です。
その他、家賃保証会社とは別に「保証人代行サービス」というものもあります。こちらは法人が連帯保証人の役割を果たしてくれます。金額や保証内容は、家賃保証会社とほとんど同じですが、物件によって家賃保証会社しか認められない場合、保証人代行サービスも認められる場合など様々なので、候補となる物件がどのパターンに当てはまるのか、事前に確認するようにしましょう。
保証人を選びの注意点
一般的に友人知人を保証人に立てるとトラブルに発展することがあるため、お願いする場合には相当な信頼関係が必要です。両親や親戚になってもらうのが安心ですが、高齢でないこと、安定した収入があること、借主に代わって家賃を支払えるだけの財力があることなどが条件となるため、条件が満たせない場合は上記で説明した家賃保証会社等を利用しましょう。
また、店舗物件やテナントを契約する段階で借主が開業準備中で無職の場合、連帯保証人が２名必要となることもあります。また家賃を数か月分前納することによって、保証人が必要なくなるような場合もあるため確認しましょう。これらの条件は貸主によって異なりますので、候補の物件が見つかったら早めに確認をするように心がけましょう。
保証人は契約上どうしても必要なものではありますが、自分でしっかりと家賃を払っていく姿勢と計画性が何より重要です。保証人になってもらう人にもきちんと店のコンセプトや事業計画を提示する必要があり、物件契約は一度決めた場合なかなか取り消しすることはできません。飲食店経営の第一段階ともなる部分ですので、慎重に進めましょう。
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