飲食店経営に重要な立地調査! 方法、注意点を詳しく解説
飲食店経営においては、商品やサービスの魅力よりも「立地が大切」だと言われることがあります。これは、どれだけおいしい商品を提供したとしても、お客さまが来なければ売上にはならないからです。しかし、経営者の半数近くが「現在の立地に満足していない」というデータもあります。「通行量が少ない」「視認性が悪い」「賃料が高い」「ターゲットと立地のミスマッチ」などが代表的な理由です。今回は、開業後に後悔しないための立地調査の方法と注意点を解説していきます。
立地調査の目的
開業準備をスタートしてから物件契約に至るまでに、数ヶ月から1年、長い場合だと2年程度かかることもありますが、コンセプトがぶれたり、妥協して契約するようなことは避けたいところだと思います。実際に広さや、賃料が安いというだけで決めてしまうオーナーも少なくありません。立地調査の一番の目的は、その物件に「集客力があるかどうか」を調べることです。「物件の雰囲気がいい」「広さがちょうどいい」「家賃が手ごろ」といった理由だけで物件を決めても、その立地では集客が見込めない場合ビジネスにはなりません。
集客力に直結するのポイントは「通行量」です。一般的に路面店の方が有利とされる飲食店ですが、通行量の少ない1階店舗よりも、通行量の多い2階以上の店舗の方が客数が多いという現実があります。集客力を調査で重要なのは、どれだけの人数が建物の前を通り、どれくらいの割合の人が看板を見るのかです。また、そのうちどれだけの人が入店するのかなどを調べる必要があります。自力で調査するのは非常に大変かと思いますが、100名のうち1名が入店するというデータがあるため、これをひとつの目安にして調査してみるの良いでしょう。
立地調査の方法
次に具体的な立地調査の方法について3つほど紹介します。
店頭での調査
店頭での調査は必ずしておきましょう。時間帯別、曜日別、目的別でどれくらいの差があるのかを把握しておくことが重要です。平日の昼に会社員のランチでいらっしゃるお客様が多いのか、買い物後のお客様が多いのか、夜は何時ごろまで人通りがあるのか、2件目で来られるお客様が多いのかなど、徹底して調査しましょう。
調査を進めていくうちに、通行客の特性と設定していたターゲットとの間にズレが見つかるかる可能性があります。その場合、たとえ通行量があったとしても物件を見送る勇気が大切にしてください。ビジネスマンの多い立地で、ゴージャスなランチを提供したとしても集客は難しいです。通行量だけでなく、どんな客層がどのような目的で歩いているかを見極めることが、立地調査では重要です。
また出店予定地だけでなく、近隣の競合店や類似店も調査しましょう。競合店や、類似店を調査することで、実際にどのようなお客様がどれくらいの割合で入店しているのかを調査すれば、かなり具体的なデータが得られます。可能であれば実際に競合店等に入店して、売れ筋商品や客単価、滞在時間のチェックもしておきましょう。
近隣店舗への聞き込み
一つ目にご紹介した店頭での調査は時間も手間もかかります。仮に一定期間の調査はできたとしても、それだけでは1年を通じての特徴は掴めません。そのため、すでに営業している店から情報を得るのが最も効率的だと言えるでしょう。
実際、飲食チェーンの社長も街を歩いて、飲食店以外の店を含むさまざまな店舗を回りながら情報収集をするという話もあります。その際には、お店のスタッフに雑談するように、「何曜日が忙しいんですか?」「何時くらいが人通り多いの?」というように話しかけるのも一つの手です。近隣でイベントがある時の人の流れや連休の時の様子など、地元の人しかわからない情報を得られることもできます。
オープン初年度は客数のデータがゼロなので、GWやお盆休み、年末年始の休暇を取るタイミングが難しく、定休日や営業時間を年度の途中で変更する店も非常に多いです。また、営業すれば売上が上がったであろう日に休業してしまったというケースもあります。このようなロスをなくすためにも、自分で調査した数値的な部分だけでなく、既存店からの情報を合わせてよりよい判断をできるようにしておきましょう。
マーケティング会社を利用
自力での立地調査と他店の聞き込み調査はどちらも非常に重要ですが、情報としては不確かな部分もあります。短期間の調査や人から聞いた話だけでは、十分な調査とはいえません。
そこでオススメなのは、マーケティング会社などのサービスを利用することです。不動産事業やPOSレジ事業を行なっている企業は非常に多くのデータを蓄積しているため、立地評価や競合店のデータなどを容易に得ることができます。
特に近年は、個人でも数千円程度の価格で情報を購入することができるようなりました。主観的になりがちな調査も、このようなサービスを併用することで客観的に判断することが可能になります。
立地調査で注意すべき点
店頭調査、聞き込み、マーケティングサービスの3点をしっかり活用することで、精度の高い調査ができます。しかしここで勘違いしてはいけないことは、他店のデータがそのまま自店に当てはまるわけではないということです。例えばライバル店の中にはすでに10年以上営業している人気店や、チェーン店もあるかもしれません。それらの店のデータをそのまま利用することはできません。新規出店であれば、知名度はゼロに等しい状態です。上記を考慮すると、調査したデータよりも集客力を低く見積る必要があるでしょう。
また、しっかりとした立地調査を行なったとしても、「視認性」が悪ければ集客には繋がらない可能性があります。内装工事や設備に資金を多く投入するよりも、外装や看板に資金をかけた方がよい場合もあります。「ここに何か飲食店がある」と気づいてもらう回数を増やす必要があります。立地調査の際に、外壁工事ができるのか、看板の設置場所はどこかといった確認も行いましょう。
希望の物件が出てから調査を開始するのではなく、いくつかの立地をモデルにして調査のテストをしておくなど、事前に立地調査の精度をあげるための準備をしておくことをおススメします。
◯会社概要
㈱店舗高値買取センター
住所:東京都新宿区西新宿1-4-11全研プラザSpaces 4階
•HP : https://t-kaitori.com/
•撤退希望者向け : https://t-kaitori.com/lp/
