定期借家契約で飲食店開業のメリットとデメリットを分かりやすく紹介

定期借家契約とは、一定の期間に限った賃貸契約のことです。家賃が安いという特徴があるため、店舗を構えるには非常に魅力的です。しかし、注意点もあります。そのため、今回は、定期借家契約がどんなものか、そのメリットやデメリットを紹介します。

普通借家契約と定期借家契約の違い

賃貸契約は、普通借家契約と定期借家契約の2種類です。まず普通借家契約は、はじめに定めた契約期間が満了しても、借主が解約を希望しない限りは賃貸契約を更新することが可能です。そのため飲食店を開業した場合、契約期間が満了したとしても、変わらず営業を続けることが可能です。一方、定期借家契約は、契約期間が満了したら契約は終了します。借主はその物件から、契約期間満了時には退去しなければなりません。営業が順調であっても、そこで営業を続けることはできません。また、もう一つの注意点は、定期借家契約では途中解約ができません。定期借家契約は、借主ではなく、貸主が契約期間をコントロールできる契約です。

次に、貸主が定期借家契約を取り入れている理由を紹介します。理由はさまざまですが、「建物の取り壊しを予定している数年後まで貸したい」、「契約途中で退去されて急に空きテナントなること防ぎたい」のような理由があります。その他にも、「マナーが良くない入居者が長く入居するような状況を避けたい」ということもあります。また何らかの理由で退去をお願いする場合、普通借家契約だと貸主が借主に対して立ち退き料の支払いが必要ですが、定期借家契約では契約期間が満了すれば、立ち退き料の支払いをせずに済むからという理由もあるようです。

借主側のメリット

上記では、定期借家契約による貸主側のメリットを多く紹介してきましたが、定期借家契約の際の借主側のメリットも紹介します。

賃料等が相場よりも安い

定期借家契約は、契約更新ができないことから、借り手がつきにくいことが貸主にとってのデメリットです。契約が成立しやすくなるように、周辺の相場よりも賃料、敷金、礼金を安くしていることは珍しくないです。

5年や10年の契約期間の場合もある

定期借家契約と聞くと、短い期間を想像する方も多いかと思いますが、中には5年、10年と中長期の期間を設定している契約もあります。例えば普通借家契約で2年に1度更新料が必要な契約ですが、10年間の経営で4回更新料を支払う必要があります。しかし、定期借家契約の場合これがかかりません。そのため、5年や10年の定期借家契約であれば、賃料が安く、更新料もかからなければ、事業計画によってはメリットの多い契約となるでしょう。

入居審査基準が低い

普通借家契約で事業をする場合、借主に支払い能力があるか、入居後にトラブルを起こす可能性がないか、といったことがチェックが行われます。一方定期借家契約は貸主にとってリスクが少ないため、審査の基準が低いこともあります。

定期借家契約の注意点とポイント

ここからは定期借家契約の注意点とポイントをご紹介します。

更新ではなく再契約ならできる可能性がある

定期借家契約には、更新はありません。しかし経営が順調で、営業を続けたいという場合、再契約の交渉は可能です。ただし再契約とは、新たな契約のため、契約できた場合には前賃料、敷金や礼金といった初期費用を支払う必要があります。また貸主は状況に応じ、条件見直すため、再契約できたとしても賃料等の値上がりが発生する可能性もあります。

途中解約できない

5年や10年の中長期の期間を設定する定期借家契約であれば、営業を続けやすいと考えがちですが、原則として途中解約ができないため、経営が芳しくなくても退去することはできず、契約期間満了まで賃料を請求されます。特約として「○カ月分の賠償金を支払い、途中解約可能」としている場合もあります。

定期借家契約の理由を不動産会社に確認

上記で、更新ではなく再契約ができる可能性があることを述べましたが、再契約の交渉ができるかどうかは物件により異なります。取り壊し予定なら交渉は不可です。その他過去に以前の借主とトラブルがあり、念のために定期借家契約にしているといったケースの場合交渉できる可能性があります。なぜ定期借家契約なのか、これまで再契約した借主はいるのか、不動産会社に確認する必要があります。確認時に、「たぶん大丈夫ですよ」と契約を急かすような不動産会社の場合誠実さに欠けますので注意しましょう。定期借家契約以外でもトラブルが起きてしまうかもしれないので注意が必要です。

物件を引き継ぐ場合、賃貸契約も引き継ぐ

現テナントと「契約名義」をして営業を引き継ぐという方法があります。その場合、借家契約も引き継ぐことになるのが一般的で、契約期間の残り期間しか営業することは、できません。

定期借家は馴染みのあるものでないため、メリット、デメリット、注意点等を十分に理解した上で契約をしましょう。

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