飲食店での看板設置のトラブルやガスの容量不足など物件選びの落とし穴を紹介

飲食店開業のための物件選びは、今後の経営に大きく関わるため、慎重に進める必要があります。一方で、いくら慎重に進めたとしても、物件を借りたあとに思わぬところで後悔することがあります。今回は、飲食店物件選びの落とし穴を具体的に紹介し、未然に防ぐためにどんなことに注意すべきかを説明していきます。

看板設置の可否

ひとつめは、看板設置にまつわるトラブルについて紹介します。例えば、地上階にある物件を契約する際、仲介業者に看板の設置が可能といわれたため、設置したものの、大家さんから撤去の要請が入るなどの事例があります。このようなトラブルは飲食店専門ではない、一般的な不動産会社に仲介をしてもらったケースに起きることが多いです。飲食物件の仲介経験が豊富な不動産会社の場合、地上階の店舗にとって看板の設置の有無が集客に大きく影響することを理解しているため、予めしっかりと大家さんに確認を取ります。しかし一方で、一般の不動産会社はそれほど重要視していないため、そこまで入念に確認していない場合もあります。飲食物件に特化、または実績が豊富な仲介業者は、看板や事業ゴミのことなど、飲食店を運営していく上で大家さんとトラブルになり得ることの知識として持ち合わせているため、物件選びでは飲食物件に強い仲介会社に依頼するようにしましょう。

また「前所有者がやっていたから大丈夫」というのは危険です。この場合大家さんは注意したにも関わらず、前所有者が従わず看板等を設置しており、大家さんが諦めていたということも考えられます。これは看板の設置の可否以外にも当てはまることなので、事前に確認するようにしましょう。

前所有者が解決していなかったトラブル

飲食店の開業時や改装工事の際には消防検査を受ける必要があります。また、営業開始後は定期的な点検と消防署への結果報告が義務付けられています。そこで、居抜き物件を契約後、内装工事を終え消防署に検査を申し込んだところ、前所有者が設備改善の指導を受けていたが、指導に従っていなかったことが発覚するというようなケースがあります。例えば防火ダンパーが付いていない、防火ダンパー長年手入れされておらず固着している、ダクト内に脂分が付着しており火災の危険があるなどの不具合が見つかって、改善するように指導が入ってしまうなどです。内装工事後に設備の不具合や改善の必要性が明らかになると、出来上がった内装の一部を壊したり、大幅なレイアウト変更を行う必要があるため、注意しなければなりません。

このようなトラブルを未然に防ぐには物件契約時に、「保健所や消防署の検査で改善命令を受けた点はあるか」「ボヤを起こしたことはないか」など具体的に尋ねてみるようにしましょう。工事依頼をする際には、保健所や消防署の点検ポイントを理解しているかを確認するようにしましょう。また居抜き物件の場合、造作譲渡に関してあらゆることを書面に残すことでトラブルを未然に防ぐようにしましょう。

用途地域の確認

物件を借りる際、「用途地域」についてもしっかり確認する必要があります。用途地域が住居地域に分類される場合、深夜24時を過ぎるとアルコールを提供することはできません。「前所有者が深夜も営業していたから、問題ない」と考えるのではなく、前所有者がルールを破っていた、勘違いしていたということもあり得るため、自ら確認することが重要です。

物件を決める前に、用途地域を調べ、自分が望む営業ができるかを確認するようにしましょう。また、「商業系地域」であれば、ほとんどの場合、深夜営業は可能ですが、条例で規制している地域もあるので確認は必要です。各自治体がサイト上で用途地域MAPのような情報を提供していることが多いため、参考にしてみて下さい。用途地域の詳しい内容については以下に記載していますので併せて読んでみて下さい。

ガスの容量不足

電気の容量が足りなかった場合、手続きと分電盤のブレーカー交換をして問題を解決することが可能です。一方で、ガスは道路に埋設されている都市ガスの本管から店舗まで引き込んでいるため、容量が足りなかった場合工事する必要があります。ガス管の太さによっては容量を上げる工事ができない場合もあり、この場合、他の物件を探すことを検討しなければなりません。

開店直前にガス容量が不足していることに気づき、数十万円かかかるが工事をすることになり、開店日が約1カ月遅れてしまったという事例もあるようです。物件選びの際には、屋外のガスメーターもチェックするようにしましょう。小規模店舗やお酒中心の営業をしていた店舗の場合、家庭と変わらない容量であることもあります。解決策は、「物件を諦める」、「工事をして容量を上げる」以外に、「電気式にできる設備は切り替える」ことなども検討しましょう。

このような様々なトラブルは、「仲介業者の言葉をそのまま受け取った」「確認作業を怠った」ことが根本的な原因であることが多いです。飲食店を専門に扱う仲介業者を選ぶ他、開店に向けた準備で忙しいとしても、「最終判断は経営者の自分」という思いで物件を選ぶようにすることが大切です。

◯会社概要
㈱店舗高値買取センター
住所:東京都新宿区西新宿1-4-11全研プラザSpaces 4階
•HP : https://t-kaitori.com/
•撤退希望者向け : https://t-kaitori.com/lp/

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