飲食店の売上管理の方法を解説!売上の目標値設定と、売上から分かる問題点の修正方法までを説明

数字に対して苦手意識があるオーナーの方も多いかと思いますが、飲食店の売上管理は、売上を構成する様々な実績を記録し、傾向を分析し、売上を上げる方向性を考えるために確実に必要なことです。今回は売上管理の方法を解説していきます。

まずは売上高の管理を

まず初めに売上高を、年間、四半期、月次、週次、日時別に記録し、分析していきましょう。

年間売上

ここでの年間売上は年商と呼ばれ、市況に左右されやすい数字で、成長戦略を描くために必要です。自年間売上により店舗の成長と経済環境の変化を読む取ることが可能です。

四半期売上

次に、年間売上を四半期別に分け、3ヶ月ごとの売上を比較すると、どの季節がその店にとっての繁忙期なのかが分かります。これはその店の業態や地域によっても異なりますが、いつが閑散期なのかを把握することで、閑散期に対策を打つことが出来るようになります。

月次売上高

毎月の売上を記録することにより、月毎の売上変動が分かります。季節や月ごとの売上の変動を測る指標を、季節指数と言いい、月次売上によりこれを調べることができ、暇な月と忙しい月でそれぞれ対策をすることで戦略を立てることが可能になります。

週次売上

週ごとに売上を記録することで、1ヶ月のうちでどの週が忙しいのかを把握することができます。週ごとにそこまで変化があるのかと思われる方も多い方と思いますが、特に給料日前の週は財布の紐も硬くなる、逆に給料日後は売上が上がるなどの変化を感じることが出来ると思います。給料日前の週は、サービスメニューを打ち出して呼び込みを強化するなど、戦略を立てることが可能です。

日時売上

一日の売上を時間帯別に記録し、ランチタイム、アイドルタイム、ディナータイムなど、営業時間帯によって分類します。これにより一日のうちで人の流れが見えるようになり、各時間帯のシフトの組み方や、仕込みの時間の調整など対策を講じることができます。

季節指数の把握

月次売上高の部分で少し説明しましたが、業態や地域によって、季節ごとの売上に変動が生じます。季節指数を考慮し、開業から2年目以降は、対前年同月対比で売上を追っていくようにしましょう。
季節指数は、以下の式で計算することが可能です。

季節指数(%)=月間売上実績÷年間売上実績×100

数年分のデータが揃っていくと、例えばある月の季節指数を知りたい、というとき、過去数年間のその月の売上の累計を、過去数年間の累計年商で割ることで、より信頼性の高い傾向を見出だすことが出来ます。

売上目標の立て方

次に月毎の季節指数を求めると、それを利用し、売上目標を立てることが可能です。

例えば、前年比+10%を目標にする場合、以下の式で求めることが可能です。

来季年間売上目標額=今季年商実績×来季年商上昇率(110%)
来季月別売上目標額=来季年間売上目標額×隔月の季節指数

季節指数は、経営が安定期に入ってから求めたほうが信頼性が高まります。開店直後は変動が激しくデータとしての信頼性にかけるため、3年ほど安定的に売上をあげられるようになった段階で求めると信頼性の高い数値になり、より正確な経営戦略を立てることが可能になります。

売上から分かる問題点の修正

売上を色々な角度から記録することで、様々なな問題点が見えてくるため、ここからは見えてきた問題点の対策について紹介します。

売上構成の把握

日時売上

売上は一日単位で捉えようとするとなかなか対策が打ちにくいので、まずランチタイム、アイドルタイム、ディナータイムそれぞれの時間帯で、一日の売上の何%をそれぞれが占めているのか把握するようにしましょう。それぞれを分けた状態で、「ランチタイムの売上を何%アップする」というような、時間帯別にどのくらい売上を上げるのか具体的に明確化していきましょう。

客層

時間帯別にどの客層のお客様がどのくらい来店しているのか把握するようにしましょう。そもそもコンセプトに当てはまったターゲット層の売上が取れているのかを把握し、売上のうち何%をどの客層が占めており、この客層をこのくらい増やせば、売上がこのくらい上がる、というように対策を立てることも可能になります。

滞在時間、満席率、客単価の把握

次にどのような観点から問題に対して解決策を講じる必要があるのかを説明します。

滞在時間

客数が目標に達しているにも関わらず、売上が上がらない場合、客単価が低いか、回転数が低い可能性があります。例えば、毎日忙しいのに儲かっていない、という場合、喫茶店のようにドリンク一杯で長居されている可能性や、店側の料理の提供スピードが遅い可能性があります。滞在時間を計り、目標時間帯売上を達成するために、何回転させれば良いのかをまずは計算するようにしましょう。

営業時間の短いランチタイムは、一般的に客単価が低いため、目標時間帯売上を達成するために如何に早くオーダーをとり、提供スピードを早めるかがカギとなってきます。

満席率

上記の滞在時間の部分で、提供スピードも改善し、滞在時間も短くしているにもかかわらず、売上が上がらないという場合、満席率を調べるようにしましょう。例えば10席のお店には、常時10人のお客様が着席できるわけではなく、テーブル席がある場合、相席をお願いしない限り、空席が生じてしまいます。このような場合、テーブル席主体のお店では、全卓埋まっていても満席率は70%前後です。
これはホールの席案内のオペレーションの改善や、4名テーブル席を2名のテーブルに分ける、カウンターを増やすなどの、レイアウトの変更が売上に繋がります。

客単価

例えば料理の提供スピードも問題ない、滞在時間も短い、満席率も高い、しかし、売上が一向に改善しないという場合、客単価を見なおす必要があります。売上改善の最も簡単な改善方法は、客単価を上げることです。しかし、単に客単価を上げると言っても、思うようにはうまくいきません。単に単価を上げると、客離れの要因となる可能性もあります。

そこで客単価については、セットか新商品投入によってアップを目指してみましょう。プラス一品のメニューを増やし、セット販売することで安くオーダーできたり、平均客単価よりも高いメニューをお値打ち価格で平均単価よりやや高めに設定し、打ち出すことで、お客様はお得感につられてそれらの商品にオーダーしてくれれば、客単価を上げることが可能です。

なぜ売り上げが上がらないのか分からないというオーナーさんは、まず上記のようにひとつひとつ売上を分析し、問題点を改善していくようにしましょう。

◯会社概要
㈱店舗高値買取センター
住所:東京都新宿区西新宿1-4-11全研プラザSpaces 4階
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•撤退希望者向け: https://t-kaitori.com/lp/

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