飲食店の店舗移転はいつから準備する?「逆算」で考えたい物件探しのタイミング

 飲食店を経営していると、店舗の移転を考えなければならない場面が訪れることがあります。
 物件の契約満了による退去だけでなく、建て替えや再開発、オーナーの事情などにより、移転を検討しなければならないケースは決して珍しくありません。

 そのため大切なのは、「退去が決まってから動く」のではなく、移転までに必要な期間を逆算して準備することです。

 今回は、営業できる期限があらかじめ決まっている定期借家契約を例に、飲食店の店舗探しをいつ頃から始めるべきなのかについて考えてみます。


定期借家契約とは?

 「定期借家契約」と聞くと、「普通借家契約より不利な契約なのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 定期借家契約とは、契約期間があらかじめ決められており、原則として更新がない契約形態です。そのため、普通借家契約と比べると借主側の自由度は低くなります。

とはいえ、定期借家契約そのものが悪い契約というわけではありません。貸主が定期借家契約を選ぶ理由としては、例えば次のようなものがあります。

  • 将来的に建物の建て替えを予定している
  • 土地の開発計画がある
  • 将来自分や親族が利用する予定がある
  • 将来の運用方法を柔軟に決められるようにしておきたい

 このように、貸主側にもさまざまな事情があります。
 また、定期借家契約では、契約期間が1年以上の場合、貸主は原則として契約終了の1年前から6か月前までの間に契約終了を通知する必要があります。さらに、物件によっては再契約が可能なケースもあります。

 そのため、定期借家契約だから避けるべきというわけではなく、「いつまで営業できるのか」「再契約は可能なのか」など、契約内容を理解したうえで出店することが大切です。


飲食店の移転は、物件探しだけでは終わらない

 移転が決まっても、新しい店舗ですぐ営業できるわけではありません。
 飲食店の移転では、

  • 次の店舗探し
  • 申し込み・契約
  • 内装工事
  • 保健所などの各種手続き
  • 引っ越し
  • 新店舗オープン

 など、多くの工程があります。

 また、いい物件は契約終了を待ってはくれない場合もあります。
 人気エリアや条件の良い居抜き物件であれば、募集開始からすぐに申込みが入ることも珍しくありません。「退去日が近づいてから探そう」と考えていると、希望する物件を逃してしまう可能性もあります。


店舗探しは「早く契約する」のではなく、「早く動き始める」

 では、いつ頃から準備を始めておくべきなのでしょうか。

 もちろん立地や希望条件によって異なりますが、一つの目安としては、契約満了の6か月~1年前には情報収集や不動産会社への相談を始めておくと安心です。
 例えば、

契約満了の6~12か月前

  • 希望エリアや家賃相場を調べる
  • 不動産会社へ相談する
  • 良い物件があれば内見を始める

契約満了の3~6か月前

  • 本格的に物件を探す
  • 資金計画を立てる
  • 移転スケジュールを固める

 ここで重要なのは、「1年前に契約する」ということではありません。
 いつ「入居したい」と思える物件と出会うかによっても契約時期は変わるため、早めに情報収集を始め、良い物件が出たときに動ける状態を作っておくことが大切です。


今のお店の退去準備も同時に進める

 移転では、新しい店舗だけでなく、現在の店舗についても考えなければなりません。
 例えば、

  • 解約予告期間
  • 原状回復義務
  • 保証金の返還条件
  • 居抜き売却(造作譲渡)が可能か

 などです。
 特に居抜き売却(造作譲渡)を検討する場合は、貸主との調整や次のテナント募集など、ある程度の時間が必要になることもあります。
 「退去日が決まったから考える」のではなく、「退去日までに何を終わらせる必要があるか」という視点で準備を進めることが重要です。


定期借家契約だからこそ、「逆算」がしやすい

 定期借家契約では、契約した時点で営業できる期限が決まっています。

 一見するとデメリットのようにも感じられますが、見方を変えれば、移転準備のスケジュールを立てやすい契約とも言えます。

 次の店舗探しや資金計画、退去準備、必要に応じた居抜き売却などを退去日から逆算して考えることで、慌てずに準備を進めやすくなるでしょう。


まとめ

 定期借家契約は、決して珍しい契約でも、避けるべき契約でもありません。営業できる期間があらかじめ決まっているからこそ、計画的に移転準備を進めやすいという側面もあります。

 一方で、普通借家契約であっても、建て替えや再開発、オーナーの事情などによって移転を検討しなければならないケースはあります。

 契約形態にかかわらず、「もし移転が必要になったら、どれくらい準備期間が必要か」を普段から意識しておくことが大切です。
 少し早めに情報収集を始めておくことが、より良い物件との出会いや、余裕を持った移転計画につながるかもしれません。


◯会社概要
㈱店舗高値買取センター
住所:東京都荒川区西日暮里2-10-5 泉ビル1F
•HP :https://t-kaitori.com/
•撤退希望者向け:
 https://exit.t-kaitori.com/
•出店希望者向け:
 https://t-kaitori.com/restaurantstart/
•居抜きビュッフェ-飲食店物件検索サービス:
 https://app.t-kaitori.com/kanto

一覧へ戻る