
飲食店の厨房清掃頻度|HACCPに沿った計画・記録の作り方
飲食店の厨房清掃は、全店舗共通の固定数値に当てはめるのではなく、取り扱う食品、設備、汚れ方、営業時間に合わせて計画することが大切です。本記事では、厚生労働省が内容を確認した小規模な一般飲食店向けHACCP手引書をもとに、清掃頻度・担当・記録・見直しの決め方を整理します。
1.清掃頻度は店舗ごとの衛生管理計画で決める
「汚れを何%落とす」「油の厚さを何mm未満にする」といった一律の数値では、厨房の状態を適切に判断できません。作業台・調理器具は使用後や食材の切替時など交差汚染を防げるタイミング、床・排水口・冷蔵庫・換気設備は汚れや使用状況に応じた頻度を設定します。各項目について「いつ・誰が・どの手順で・何を確認するか」を衛生管理計画に書き、異常時の再洗浄や報告方法も決めてください。参考:厚生労働省掲載「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(小規模な一般飲食店事業者向け)」
2.清掃時間は自店の実測で割り当てる
作業台の台数、厨房面積、油の使用量、設備の分解手順によって必要時間は変わります。最初から「1台5分」「厨房全体20分」と固定せず、実際の作業について開始時刻・終了時刻・担当者・未完了箇所を数回記録し、営業後に無理なく完了できる人数と時間へ調整します。
時間不足が続く場合は、手順を省くのではなく、担当範囲の分割、営業中の予備清掃、専門業者へ依頼する設備の切り分けを見直します。
3.チェックリストは実施結果と是正を記録する
根拠のない点数で合否を決めるより、清掃項目ごとに結果と対応を残す方が改善につながります。
記録する項目の例:清掃対象、実施日・時刻、担当者、使用した洗剤・器具、目視や臭いなどの確認結果、異常の内容、再洗浄や修理の対応、責任者の確認日。問題があった箇所は「実施済み」で終わらせず、是正内容と完了確認まで同じ記録で追えるようにします。
4.教育は手順の変更時と習熟確認に合わせる
研修時間や回数にも全店舗共通の正解はありません。新規採用時、担当変更時、設備・洗剤・メニュー・手順を変えた時、記録漏れや洗浄不良が見つかった時に教育を行い、説明だけでなく実際の作業を確認します。教育日、対象手順、参加者、確認者、再教育が必要な点を残してください。
5.機器と洗剤は実測とメーカー表示で評価する
高圧洗浄機や自動洗浄設備の効果は、厨房の構造や対象設備で異なります。導入前後で作業時間、使用水量、洗剤量、再清掃の回数を同じ条件で記録し、自店の実績で判断します。洗剤の希釈倍率・使用量・接触時間は製品表示と設備メーカーの指示を守り、独自の一律量を設定しないでください。
6.記録を振り返り、頻度と手順を見直す
日々の記録を定期的に振り返り、同じ場所の汚れや詰まり、再洗浄が続く場合は頻度・担当・手順を見直します。ATP測定器などを補助的に使う場合も、機器・試薬・採取方法で値が変わるため、測定機器の説明書と自店の衛生管理計画に沿って判定基準と測定箇所を定め、同じ条件で推移を比較します。
まとめ
厨房清掃は、固定の数値目標を当てはめるのではなく、自店のリスクに合わせて「頻度・担当・手順・確認方法」を決め、実施記録と是正内容から見直す運用が基本です。まずは主要設備ごとの清掃計画を作り、記録が続けられる形で始めましょう。
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