
飲食店の賃貸更新が迫っている方必見!飲食店の賃貸契約の更新について解説。
貸店舗で飲食店を営業していると、大家さんから賃貸契約更新を拒否されることがあり得ます。経営者にとっては困ることですし、「法的にはどうなのか?」と疑問を持つのも当然です。今回は、定期借家契約と普通借家契約の違い、普通借家契約において更新拒否をされるケースについて解説していきます。
普通借家契約と定期借家契約
普通借家契約と定期借家契約の違いは、更新の有無だけでなく、契約書の中途解約条項まで確認して判断します。普通借家契約でも、借主がいつでも中途解約できるとは限りません。飲食店の賃貸契約では、契約種別、契約満了日、中途解約条項、解約予告期間、違約金、原状回復、明け渡し条件を契約書で確認してください。
定期借家契約は期間満了で終了し、自動更新はされませんが、貸主と借主が合意すれば再契約できます。国土交通省の定期建物賃貸借Q&Aでは、法律上の借主からの中途解約は、床面積200平方メートル未満の居住用建物を生活の本拠として使い、転勤・療養・介護などのやむを得ない事情がある場合を対象としています。飲食店など事業用店舗の中途解約は、この居住用の例外を前提にせず、契約書の中途解約特約または貸主との合意があるかを確認します。契約期間が1年以上の場合は貸主からの終了通知時期も確認し、残存期間の賃料、違約金、原状回復、設備処分、明け渡し期限を同じ表に並べて更新・再契約・撤退を比較してください。判断が難しい場合は、契約書を持って弁護士等へ相談してください。
普通借家契約の更新拒否は法律違反かどうか
借主は借地借家法によって保護されているため、大家さんの都合で簡単には契約を終了することはできません。しかし、普通借家契約での更新拒否をされることもあり、その場合、大きく2つのケースが考えられます。1つ目は、エリアの再開発や建物の老朽化による建て替えを控えているなど、大家さん側に理由があるケースです。また2つ目は、家賃の滞納が発生しているなど、借主に問題があるケースです。
1. 大家さん都合で契約更新を拒否される場合
エリアの再開発や建物の老朽化による建て替えを控えているなど、大家さん都合での更新拒否が認められるのは、(1) 契約終了1年前から6ヵ月前までの間に更新拒絶の通知があった場合、(2) 更新後における遅滞なき異議があった場合 (契約終了の1年前から6か月前までの間に更新拒絶の通知をしたとしても、借主がそれを無視している場合、遅滞なく異議を伝えなければ、契約更新したものとみなされます) 、 (3) 立ち退きを認める正当事由がある、この3つを満たした場合です。
多くの場合、(1)および(2)が行われ、「正当事由」があるかどうかが焦点になります。例えば、お店の老朽化であれば、その進行度合いが問われたり、ケースごとに総合的に判断されますが、飲食店などの店舗が営業しているような建物では、正当事由を満たすことはかなり難しいと言われています。そのため、大家さん側の更新拒否は簡単には認められず、借主は交渉する余地があります。
2. 借主に問題があり契約更新を拒否される場合
例えば、督促状が届いても、借主が賃料の支払いを猶予して欲しいと申し出をしなかったり、家賃の滞納を続けたりした場合、大家さんは強制的に退去させることを考える場合があります。法律上、大家さんと借主の信頼関係が破綻していることが証明できれば、大家さん側からの賃貸借契約の解除が認められます。
そこで大家さんは、何度も家賃の支払い催促を行い、保証人にも支払い催告をします。それに加え、大家さんは裁判所から文章で支払い督促をしてもらう「支払督促」制度を利用したりもします。このような段取りを踏んでも解決しない場合、大家さん側からの賃貸借契約解除が認められます。しかし、大家さんが一方的に鍵の付け替えをするなどの追い出し行為をするのは借主の権利を侵害することになるため、大家さんに違法性があります。
実際に更新拒否されたらどうするか
更新拒否をされた場合、どのように対応すべきかを解説します。
まずはじめに確認したいのは、大家さんの考えです。「何が何でも更新拒否をする」「可能であれば更新しない」など、どういった考えで打診してきたのか、また、どんな条件なら更新が可能なのかを、聞いてみるようにしましょう。また、更新拒否と同時に立ち退き料を提案された場合、どうするのが得策か考えてみるのもよいと思います。
また、大家さんに正式に更新拒否を提示された場合は専門家である弁護士に相談するようにしましょう。法律や契約のことをよく分からないまま、話が進んでいくと、立場が不利になり、悪い条件で退去せざるを得ない状況に陥ってしまう可能性もあります。
大家さんからの更新拒否は決して多くないケースですが、「自分の店に限って、そんなこと…」とは考えず、万が一に備えてさまざまな知識を蓄えておくようにしましょう。
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