【飲食店の家賃解説】家賃比率の目安や適正に保つコツ、注意点を解説
飲食店や店舗ビジネスをする上で必須となる経費である、「家賃」。うまく経営していくためには、適正な家賃比率を知り、家賃に対する売上目標をしっかり立てる必要があります。家賃に関する基礎知識から、経営に活かせるコツ、注意点などについて解説します。
飲食店家賃の基礎知識
飲食店の家賃は、経費で「地代家賃」として計上されます。翌月の家賃を、前の月に振り込み支払い方法が一般的です。物件の契約時には、２～３か月分の家賃のほか、保証金、礼金が必要になります。
家賃は契約した時点から発生します。開店までに内装工事を行ったり、メニューの試作、トレーニングを行ったりしている期間も支払わなければなりません。開業資金を抑えるためには、開店までの準備期間を短くすることも一つのポイントとなります。
内装を一から作る「スケルトン物件」は、開店して収入を得られるようになるまでにかかる家賃がいくらになるかを考える必要があります。
そのため今ある内装をそのまま使える「居抜き物件」の人気が高まっています。
関連情報として、以下弊社のサービス”居抜き職人”についても読んでいただければと思います。
飲食店の適切な家賃比率とは？
家賃比率とは、売上に対し家賃がいくらかかっているかの比率で表したものです。業種にもよりますが、家賃比率は売上の10％が目標だといわれています。例えば、分かりやすい例ですと、月商100万円の店なら家賃は10万円、月商300円の店なら家賃は30万円が目安です。家賃比率を10%以内にできれば、利益を出しやすい傾向がありますので、ご参考にしてください。
そのため物件を決める際には、目標月商から家賃の目安を決めて探しましょう。選ぶ際には、「この店舗で目標売上を達成できるか」という視点で選ぶことが大切です。たとえ予算内の物件が見つかったとしても、客席が狭く、席数が少なかったり、キッチンに十分な設備がなければ、売上の減少につながります。
こうした条件から、家賃比率が高くなってしまっている店も多いです。小規模店で、家賃比率が20%程度になっていることもあります。家賃がかさむことで、人件費・原材料費と合わせると売上の60%程度が経費になるような店舗も存在します。加えて、消耗品や光熱費で10〜15%かかることを考えると、利益が出にくくなります。そのため、家賃は月商の10%程度に抑えるのが理想です。
家賃比率を適正に保つコツ、注意点は？
家賃は固定費なため、営業がスタートしてから削減することはまずできません。そのため、物件を契約する前に綿密な売上シミュレーションを行う必要がります。
例えば、家賃が20万円の店舗を契約しようとしている場合、家賃は月商10％が目安なので、単純に家賃の10倍となる月商200万円売り上げるプランを作りましょう。
次に月商200万以上を達成するための、目標客数と客単価を明確に設定します。定休日がいつなのか、営業時間も細かく決めることで、「1か月のうち何時間営業し、1時間でいくら売り上げる必要があるのか」という視点を持つことができます。また客数に関しては楽観的に考えず、多く見積もりすぎないように注意する必要があります。
また夜の営業だけで月商を達成できないようであれば、ランチ営業を視野に入れるのも一つの方法です。また最近は、「昼はカレー屋、夜はバー」というように、二足の草鞋を履く飲食店も増えています。このときにポイントとなるのが、ランチのメニュー数は最小限におさえ、必要以上に経費を増やさないことがポイントです。例えば上記であれば、カレーはこだわり抜いた一種類だけなどにするのもいいでしょう。また信頼のおけるスタッフを雇うことができれば、店主が居なくとも、スタッフにランチ営業を任せたり、定休日をなくしたりすることも可能になります。少しでも利益が出るのであれば、長い時間店を開けておいたほうが良いです。
家賃は、原材料・人件費の次に、割合の大きな経費です。希望のエリアや内装でも、適正な家賃比率を上回ってしまうと経営が傾いてしまいます。物件契約前に売上と家賃比率のシミュレーションを行うことが重要です。また、物件を探す際には、家賃だけで考えるのではなく、売上を考えた立地や客層、店舗の広さや駐車場の有無など、多角的な視点をもって物件探すことがポイントとなります。
予想売上から家賃を算出し、自分に合った物件を選んで理想のお店作りをしていきましょう。
◯会社概要
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