居抜き売却の引渡し当日チェックリスト|鍵・設備・写真をどう残す?
居抜き売却の引渡し日には、譲渡する物を設備リストと照合し、鍵と店内の状態を双方で記録します。契約を結んでいても、現場に残した物がリストと違う、返すはずの貸与機器が置かれている、鍵の本数が合わないといった行き違いは起こり得ます。
ここで扱うのは売主と買い手の間で行う店舗・造作の引渡しです。貸主へ賃借物件を返す退去立会いとは、参加者も確認目的も異なります。実際の引渡し方法と日付は契約、貸主の承諾、買い手の入居手続きに合わせてください。
引渡し前日までに準備するもの
| 分類 | 準備するもの | 確認する相手 |
|---|---|---|
| 譲渡対象 | 最終版の設備・造作リスト、型番、数量 | 買い手 |
| 店舗の状態 | 客席・厨房・設備の現況写真、既知の不具合 | 買い手・必要に応じて管理会社 |
| 鍵と入館手段 | 鍵・カード・シャッターの開閉方法と本数 | 貸主・買い手 |
| 契約・精算 | 引渡し条件、支払確認方法、受領記録 | 契約関係者 |
| 対象外の物 | 私物・貸与品・食材・処分予定品の搬出表 | 所有者と回収先 |
「店内にあるものすべて」ではなく、契約と設備リストに書かれた対象を基準にします。作成方法は造作譲渡契約書と設備リストを参照してください。リース・貸与品の扱いは厨房機器の所有確認で先に整理できます。
当日は「入口→客席→厨房→バックヤード」の順に回る
1.開錠方法と鍵の本数を確認する
正面入口、裏口、シャッター、倉庫、郵便受け、警備の鍵やカードを一覧で照合します。複製の有無、返却先、警備契約の名義変更や解約方法を確認し、使用できない鍵はその場で記録します。暗証番号や警備情報は不特定の相手へ共有せず、正当な引継ぎ先と手順を決めてください。
2.設備リストと現物を突き合わせる
冷蔵庫、製氷機、シンク、排気設備、エアコン、照明などについて、台数、設置場所、付属品と既知の不具合を確認します。動作確認を行う場合は、安全に稼働できる状態かを担当者と確かめ、通電やガス開栓が必要な機器を無理に試さないでください。現況引渡しの範囲と未確認の機器を混同しないようにします。
3.残置物と持ち出し品を写真で残す
客席、厨房、収納、天井付近、床下・屋外の設備を写真に撮り、設備番号と撮影日を紐づけます。ごみ、食材、貸与容器、私物、書類などが残った場合は、誰がいつ撤去するかを書面にします。写真には顧客情報や従業員の個人情報が写らないよう注意します。
メーター・決済端末・アカウントは別に扱う
電気・ガス・水道の使用状況は引渡し時点で記録しておくと、売主と買い手の利用期間を振り返れます。ただし公共料金の契約をいつ止めるかは貸主や工事日程と調整が必要です。電気・ガス・水道を止める時期に沿って、担当先と日付を確認してください。
POS、予約サイト、決済端末、SNSアカウントは、店内に機器やログイン画面があるだけで譲渡対象とは限りません。端末の所有者、契約名義、残る売上や返金、保存済み顧客データを確認し、提供元が定める手続き以外でID・パスワードを渡さないようにします。厨房機器の引渡しとデジタル契約の移転を一括にしないことが重要です。
受領記録には「未了の事項」も残す
受領書や引渡し確認書には、日時、参加者、鍵の本数、設備リストの版、写真の保存先、現況を記載します。契約上の支払確認が必要なら、相手と確認方法を合わせます。受領した事実と、後で対応する修理・撤去・書類送付は別欄に分けます。
- 設備の動作を当日確認できなかった場合の確認日
- 付属品や説明書を後日渡す場合の期限
- 買い手が受け取らない残置物の処理担当
- 貸主・管理会社への報告と鍵返却の担当
事業譲渡まで伴う取引では、譲渡する資産や契約の範囲は特に重要です。中小企業庁の事業譲渡契約書サンプルにも承継対象財産の別紙が設けられています。これは事業譲渡の参考資料であり、個別の造作譲渡契約にそのまま適用できるという意味ではありません。
貸主への退去立会いとの違い
買い手への譲渡確認が終わっても、売主の賃貸借契約の終了処理や貸主との明渡し確認が別に残る場合があります。誰が鍵を預かるのか、原状回復・残置承諾はどうなったか、旧契約と新契約の切替日はいつかを貸主・管理会社へ確かめます。退去立会いのチェックリストは貸主への返還場面で使用してください。
よくある質問
契約書を結んだら現場確認は不要ですか?
契約時の設備リストと引渡し時の現物に違いがないか確認するため、当日の立会いと記録を勧めます。確認方法は双方の契約で定めてください。
買い手に管理画面のパスワードを渡してよいですか?
サービス契約や個人情報を含む場合があります。契約先の名義変更・データ移行手順を確認し、機器の引渡しと分けて対応してください。
まとめ:渡した物と残る仕事を同時に記録する
居抜き売却の引渡しは、鍵・造作・設備・写真を最終版のリストで照合し、未了の修理や撤去も明記する作業です。条件交渉がまだ続く場合は値下げ交渉時の確認項目も参考にしてください。引渡しまで含めた進め方を相談したい場合は、飲食店の閉店・居抜き売却を無料相談できます。
