共同経営者と飲食店売却の意見が違うとき|相談前に整理すること
「自分は店を売りたいけれど、共同経営者は続けたい」。話がまとまらないときは、売るかどうかを一度に決めようとせず、意見が違う理由と、まだ分からない条件を分けてみましょう。
売却方法を調べること、買い手の募集を頼むこと、価格を決めて契約することは別の段階です。相談時には、売却が決定済みなのか、関係者で検討中なのかを最初に伝えてください。
この記事は、合意を強制する方法ではありません。話し合いと外部相談のために、事実・希望・未決定事項を整理するメモです。
まず「何に反対しているのか」を分ける
同じ「売りたくない」でも、気になっている点は違います。
- 今の価格では納得できない
- 従業員や常連客への説明が心配
- まだ経営を立て直せると思っている
- 店名や設備を残してほしい
- 閉店後の収入や仕事が決まっていない
相手の理由を推測せず、本人の言葉で書き留めます。自分の希望も、金額、時期、残したい物に分けて伝えましょう。
「続けたい」「辞めたい」だけでは話が戻りやすくなります。何が確認できれば判断できるのかを、一つずつ決めることが出発点です。
名義と、相談に参加する人を確認する
「共同経営者」という呼び方だけでは、誰が何を決められるかは分かりません。次の書類で、名義と関係者を整理します。
- 店舗の賃貸借契約書
- 設備の購入・リース・レンタル契約
- 共同経営に関する契約や覚書
- 法人の場合は会社の意思決定に関する資料
- 店名・ロゴなどの権利に関する資料
分からない項目は「未確認」で構いません。出資した人、日々運営する人、契約名義人が同じだと思い込まず、個別に確認してください。
契約を結ぶ権限や必要な同意に疑問がある場合は、弁護士などに確認しましょう。相談をした人が、そのまま全員を代表して売却を決められるとは扱わないことが大切です。
続ける場合と売る場合を、同じ項目で比べる
売却金額だけで結論を出さず、双方が気にしている項目を同じ紙に並べます。
営業を続ける場合
- 誰が運営を担うのか
- 追加で必要な資金や修繕は何か
- いつ、どの数字を見て再判断するか
居抜き売却を検討する場合
- いつまでに引き継ぎたいのか
- 残せる設備と、返却が必要な設備は何か
- 貸主・管理会社への確認はどこまで済んでいるか
売却が成立しない場合
- 通常退去の準備に切り替える時期
- 工事や搬出の見積もりを取る担当
- 追加の支出をどう確認するか
査定前の希望額と、具体的な買い手が示した条件は分けて書きます。まだ得られていない売却代金を、確定した資金として比べないようにしましょう。
最初の相談では「今日決めないこと」も伝える
相談相手に、今回知りたいことと、まだ頼んでいないことを伝えると、認識のずれを減らせます。
例えば、次のように整理できます。
「共同経営者と、営業継続か居抜き売却かを検討しています。売却の決定はしていません。まず、設備や契約の状況から、検討に必要な確認項目を知りたいです。買い手の募集や関係者への連絡を進める場合は、事前に手順を相談したいです。」
これは相談目的を伝えるための例文です。相談先の契約条件や、情報共有の取り扱いを置き換えるものではありません。
資料を送る前には、共有してよい範囲と、相談先が誰に情報を伝えるのかも確認します。相手に知らせず話を進めることや、秘密が必ず守られることを前提にしないでください。
相談後は、結論より「次の確認」を残す
一度で結論が出なくても、次の確認が決まれば話し合いを進められます。
- 確認すること:設備の所有者、退去条件など
- 確認する相手:貸主、契約先、専門家など
- 担当する人と、回答を持ち寄る日
- それまで保留する行動:募集、設備処分、契約など
「売却に賛成した」と「条件を調べることに賛成した」は分けて記録しましょう。認識が違うまま契約や設備処分へ進まないことが重要です。
売却を決める前の確認事項を整理する
共同経営者との話し合いでは、決定済みのことと、調べている途中のことを分けるのが第一歩です。
居抜き売却の進め方を確認したい場合は、飲食店の閉店・居抜き売却相談へ、店舗の状況と「関係者で検討中」であることをお知らせください。
当社への相談と、共同経営者間の権利・契約の判断は分けて考えてください。意見の対立や権限の争いについては、弁護士など適切な専門家への相談が必要です。
※この記事は相談前の整理方法を紹介するものです。必要な承認や契約手続きは、事業形態・契約・権利関係によって異なります。
