飲食店閉店時の食材・在庫整理|発注停止から最終営業日まで
閉店日を決めたら、食材の発注を一律に止める前に、在庫と予約を数えてください。仕入れを急に絞ると最終営業日前に欠品が起こり、従来どおり発注すると使い切れない在庫が残ります。現時点の数量、次の納品、予約済みの食数を一枚の表にすれば、最終営業日まで必要な量を考えられます。
この記事は、閉店予定の飲食店が厨房の片付けと並行して使える在庫整理の手順です。食品の再販売や譲渡の可否を一般化せず、衛生状態、仕入先との契約、各品目の表示・保管条件を個別に確認してください。
閉店日から逆算し、在庫を四つに分ける
初回の棚卸しでは、食材だけでなく、飲料、包装資材、洗剤、消耗品も対象にします。冷蔵・冷凍・常温の保管場所を実際に開け、帳簿上の数だけで判断しないことが大切です。
| 分類 | 例 | 次に決めること |
|---|---|---|
| 最終日まで使う | 定番料理の主材料 | 予約数と販売見込みから必要数量を決める |
| メニューを調整して使う | 用途を変えられる未開封材料 | 品質・アレルゲン表示・提供工程を確認する |
| 仕入先に相談する | 未開封の返品候補、預かり容器 | 返品条件と引取日を確認する |
| 使用・返却できない | 期限切れや状態不明の品 | 分別・回収先と記録方法を確認する |
「残りそうだから特売する」と先に決めず、食材の安全とお客様への案内を優先してください。消費者庁も食品ロス削減に関する飲食店・消費者向け資料を公開しています。ここで紹介するのは閉店時の実務上の整理方法であり、食品の転売や持ち帰りの安全性を保証するものではありません。
閉店までの3段階で発注量を変える
第1段階:最終営業日と予約数を確定する
通常営業、貸切、テイクアウト、定期便を分けて、受け付け済みの予約とキャンセル可能日を一覧化します。最終営業日の後にも注文が入る設定があれば、先に受付を止めます。発注を減らす判断には、曜日別の過去売上よりも、今回確定している予約と実在庫を優先します。
第2段階:納品日・最低発注量・返品条件を確認する
仕入先ごとに、最終発注日、納品リードタイム、定期配送、最低注文量、未開封品の返品可否を確認します。自動発注や定期購入を見落とすと、最終営業日の翌日に商品が届くことがあります。電話で決めた内容はメール等で残し、最終請求の対象期間も併せて聞きます。
第3段階:最終週はメニューと在庫を毎日照合する
仕込み量を当日の予約と在庫に合わせ、売り切れ時の代替メニューはアレルゲン・価格・提供時間を確認してから案内します。最終日にすべての料理を残すことを目標にすると、使い切れない仕込みが増えがちです。提供品目を絞る場合は、店頭・予約サイト・SNSでの表示も合わせて更新します。
「在庫を減らす」と「譲渡できる」は別に考える
居抜き売却で買い手が厨房機器を引き継ぐとしても、食材や酒類、取引先からの貸与品まで自動的に譲渡対象になるわけではありません。未開封・未使用品でも、誰の所有物か、保管状態、表示、契約上の返品条件を確認します。造作と設備については造作譲渡契約書と設備リストの作り方で別に整理してください。
食品の寄付や別店舗での使用を考える場合も、保管温度、期限、運搬、受入先の条件を先に確認します。持ち帰りや譲渡を食品ロス削減の名目だけで強行しないことが重要です。廃棄する場合は、品目・数量・処理日・依頼先を記録し、店舗での通常の分別方法と回収契約を確認します。
最終営業日の前後に残す記録
- 初回棚卸し表と最終日の実在庫
- 取引先ごとの最終発注・納品・返品の確認メール
- 予約数、キャンセルと返金の一覧
- 廃棄・回収の数量、日付、依頼先
- 仕入先の預かり容器、機器、配送資材の返却記録
食材だけを片付けても、貸与機器や容器が残ると引渡しの支障になります。閉店を決めた最初の7日の手続きと照らし、店舗の明渡し日までに担当者を決めてください。
よくある質問
閉店告知の前に発注を止めてよいですか?
予約済みのお客様に提供する分を見込んだうえで、納品条件の変更を仕入先に相談できます。突然すべて止めず、確定済み予約と営業可能な品目を確認してください。
余った食材を居抜き売却の買い手に渡せますか?
設備の譲渡とは切り分けます。所有権、衛生・保管状態、表示、買い手の受入条件などを個別に確認し、無条件で引き継げると約束しないでください。
まとめ:発注停止の前に「予約・実在庫・納品」を並べる
閉店時の食材整理は、在庫を減らすだけでなく、最終日までの提供品質と退去準備を両立する作業です。棚卸し、予約照合、仕入先への最終発注連絡、残品の扱いを順番に決めましょう。食材以外に厨房設備や店舗の売却も検討する場合は、飲食店の閉店・居抜き売却を無料相談できます。
